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EU高代表カラス氏:ウスマノフ氏とフリードマン氏の制裁復活は「当面ない」

EUの外相にあたる外務・安全保障政策上級代表カヤ・カラス氏は10月5日、ロシアの実業家アリシェル・ウスマノフ氏とミハイル・フリードマン氏をEU制裁リストに戻す問題を「近い将来、提起することはない」と述べた。ウクライナが両氏の制裁復活を求める姿勢を示す中での発言で、ウスマノフ氏の除外にはフランスとスロバキアが、フリードマン氏の除外にはルクセンブルクが圧力をかけたとされる。

要点

  • EUのカラス上級代表は10月5日、ブリュッセルでのEU・モルドーダーを選出した会合後に発言した
  • ウスマノフ氏とフリードマン氏は9月22日にEU制裁リストから除外された
  • ウスマノフ氏の除外にはフランスとスロバキアが、フリードマン氏の除外にはルクセンブルクが働きかけた
  • EUは約1,600件の新規制裁追加を準備中、また2,998件の制裁措置を3年間延長した
  • リトアニアとエストニアは両氏に対して独自の国家制裁を課した
  • ウクライナのシビハ外相は両氏の制裁復活を求めると表明した

なぜ重要か

EUがウクライナの反対にもかかわらず、著名なロシア人オリガルヒ2名の制裁解除を当面撤回しない姿勢を示したことで、ウクライナは欧州レベルの制裁復活への道が当面閉ざされた形となった。一方で、EU内では特定の加盟国(フランス、スロバキア、ルクセンブルク)が制裁決定に強く影響できる構造が改めて明らかになり、リトアニアやエストニアのように国家レベルで独自制裁を課す対応も出ている。

何が起きたか

EUの外務・安全保障政策上級代表カヤ・カラス氏は10月5日、ブリュッセルで開催されたEU・モルドーダーを選出した会合の終了後、記者団の質問に答えた。ウスマノフ氏とフリードマン氏をEU制裁リストに戻すかどうかについて、「近い将来にこの2人についてそうなるとは考えていない」と述べた。カラス氏はまた、EUが約1,600件の新規制裁対象追加を進めていること、および2週間前に採択された決定により2,998件の制裁措置が3年間継続されること、これにより従来の6か月ごとの更新が不要になったことを明らかにした。さらに、EU加盟国が制裁リストに追加すべき名前を自由に提案でき、最終決定は加盟国が行うと説明した。ウクライナのシビハ外相は、両氏の制裁復活を求めると表明している。

報道の食い違い

フランスのウスマノフ氏制裁解除の動機について、報道ではアゼルバイジャンが少なくとも2人のフランス国民を拘束したことに伴いフランスが圧力をかけたとされるが、Reutersによるとアゼルバイジャンの外交官はこれを否定している。

背景

EU大使らは9月22日、ウクライナの領土一体性・主権・独立を脅かす責任を負う約3,000人の個人・法人に対する個別制裁を3年間延長し、2029年9月22日までとした。同日、ウスマノフ氏とフリードマン氏は制裁リストから除外された。ウスマノフ氏の除外にはスロバキアとフランスが働きかけ、フランスの動きはアゼルバイジャンがフランス国民を拘束した件と関連すると報じられている(Reutersによるとアゼルバイジャン側は否定)。制裁解除直後、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は2023年12月にスパイ罪で有罪判決を受けたフランス国民を恩赦した。フリードマン氏の除外にはルクセンブルクも関与しており、同氏はルクセンブルクを国際仲裁で提訴し、凍結資産に対する160億ドルの賠償を求めている。