「ウクライナによるロシア石油施設への攻撃は共和党の中間選挙妨害が目的」──トランプ氏が確信とThe Atlantic報道
The Atlanticは、トランプ米大統領が自身の側近から得た情報として、ウクライナのロシア石油精製施設への攻撃が共和党の中間選挙での勝利と大統領自身の政治的立場を弱めることが目的の一部だと確信したと伝えた。トランプ氏はロシアのウクライナ攻撃を矮小化する一方、ウクライナの対露エネルギー施設攻撃のみを批判している。米中間選挙は11月3日、新議会の発足は1月3日に予定されている。
要点
- The Atlanticは匿名のトランプ側近を引用し、大統領がウクライナの石油精製所攻撃は共和党の中間選挙(11月3日)での当選妨害が狙いだと確信していると報じた
- トランプ氏はロシアのウクライナ攻撃を「それほどやっていない」と矮小化する一方、ウクライナの対露エネルギー施設攻撃のみを批判している
- 大統領の側近らは、ウクライナがロシアのディーゼル工場への攻撃をやめなければ武器売却を停止すると脅迫したとされる
- トランプ政権は防衛に必要なミサイルのウクライナへの移転承認を保留し、衛星システムStarshieldへの完全アクセスも停止したと報じられた
- ロシア軍のドローン攻撃により公園で6人(子ども2人を含む)が殺害され、1歳の女児の画像が世界中に拡散した
- 中間選挙前のトランプ氏の支持率は33%、不支持は66%、強く不支持は52%
- 民主党は下院で過半数を獲得すると両党関係者が予想、上院選はなお予断を許さない
なぜ重要か
この報道は、ウクライナに対するトランプ政権からの具体的な圧力──武器販売停止の脅しやミサイル移転の保留──を記録するものである。同時に11月3日の中間選挙が迫る中、トランプ氏がエネルギー価格高騰の責任をウクライナに転嫁していると報じ、ウクライナへの支持の政治的基盤が揺れ動いている可能性を示す。中間選挙の結果次第で新議会が1月3日に始まるため、ウクライナ支援の方針が大きく変わる可能性がある。
何が起きたか
The Atlanticは匿名のトランプ側近3人を引用し、大統領がウクライナのロシア石油精製施設への攻撃を、共和党の中間選挙および自身の政治的立場を弱める意図を持った行動だと確信するようになったと報じた。トランプ氏は批判をウクライナの対露石油施設攻撃のみに集中させ、エネルギー価格高騰の責任をウクライナに帰している。一方、ロシアによるウクライナ民間人へのドローン攻撃──6人が死亡し1歳の女児の画像が世界的に拡散した事件──については「ロシアは実際にはそれほどやっていない」と矮小化した。側近らはウクライナに対し、ロシアのディーゼル工場への攻撃停止を条件に武器売却停止の可能性で圧力をかけたとされる。政権は防衛用ミサイルの移転承認を保留し、衛星システムStarshieldへの完全アクセスも停止。新たな種類のロシア製ジェット無人機に対するウクライナの防空能力低下が指摘されている。中間選挙前の支持率は33%で、66%が不支持、52%が強く不支持と回答。両党の予測では民主党が下院で過半数を獲得する見通しだが、上院はなお予断を許さない。
報道の食い違い
2つのウクライナ語報道は、トランプ氏が無視しているとされるエネルギー価格高騰の根本原因について描写が異なる。一方はイランが米国に対抗しホルムズ海峡を封鎖できる能力を要因として強調し、もう一方はより広くトランプ氏のイランでの戦争と、それに伴う石油・ガス価格の高騰を原因として描く。
背景
トランプ氏は10月初旬にロシア・ウクライナ戦争のエネルギー停戦を発表したが、実質的な基盤はなかったとされる。政権は故リンジー・グラム上院議員の名を冠した制裁法案に署名したものの、その進行を妨害しようとしたトランプ氏を共和党議員の一部が批判している。ロシアのドローン攻撃で6人が死亡し、1歳の女児の画像が世界的に拡散した。新議会は1月3日に始まり、その時点で共和党と民主党の力のバランスが変わる可能性がある。上院選の行方は依然として予断を許さない状況とされる。