ゼレンスキー氏、ブリュッセルでEU首脳会議に出席──バビシュ氏がトランプ氏とプーチン氏のディーゼル合意を「欧州への平手打ち」と批判
2026年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領がブリュッセルのEU首脳会議に出席した。会議ではチェコのバビシュ首相が、トランプ米大統領とプーチン露大統領によるロシア産ディーゼル燃料の取引を「欧州への平手打ち」と批判し、「欧州はより積極的に反応すべきだ」と述べた。ゼレンスキー氏は記者団に対し、プーチン氏は真の和平交渉を望んでいないと述べるとともに、米国が事前にウクライナに通知しなかった取引に懸念を示した。
要点
- 10月16日、ゼレンスキー氏がブリュッセルのEU首脳会議に出席した。
- チェコのバビシュ首相はトランプ氏とプーチン氏のディーゼル取引を「欧州への平手打ち」と批判した。
- バビシュ氏はまた、ウクライナ支援100億ユーロのEU長期予算への組み入れに反対し、融資として予算外で拠出すべきだと主張した。
- ゼレンスキー氏はプーチン氏があらゆる形式の交渉を望んでおらず「言葉で遊んでいる」と記者団に述べた。
- 10月11日、トランプ氏はプーチン氏とロシア産燃料の世界市場への供給合意を発表し、いわゆる「エネルギー停戦」も発表した。
- Financial Timesによると、ウクライナは10月11日に発表されたエネルギー停戦について事前に知らされていなかった。
- 10月15日のNewsmaxのインタビューで、トランプ氏はゼレンスキー氏を「交渉相手として適切な人物ではない」と発言した。
- ゼレンスキー氏は10月14日、米国がロシアの石油精製施設への攻撃継続なら情報共有を停止すると脅したと確認した。
なぜ重要か
ブリュッセルのEU首脳会議で、欧州の指導者とトランプ政権との亀裂がロシアとの交渉をめぐって公に露呈した。トランプ氏とプーチン氏によるディーゼル燃料取引は、ロシア産燃料の世界市場への復帰と追加制裁緩和の可能性を伴い、ウクライナの外交的立場と欧州のエネルギー市場に直接的な影響を及ぼす。さらに、バビシュ氏による100億ユーロのウクライナ支援をEU長期予算に組み入れることへの反対表明は、欧州内の連立の亀裂も浮き彫りにした。
何が起きたか
2026年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領がブリュッセルのEU首脳会議に到着した。同会議で、チェコのバビシュ首相は10月9日にトランプ氏とプーチン氏の間で合意されたロシア産ディーゼル燃料取引を強く批判し、これを「欧州への平手打ち」と表現し、トランプ氏が事実上欧州を「裏切った」と述べた。バビシュ氏は欧州がより積極的に反応すべきだと訴えるとともに、ウクライナ支援100億ユーロのEU長期予算への組み入れに反対し、予算外の融資として拠出すべきだと主張した。ゼレンスキー氏は記者団とのブリーフィングで、プーチン氏は真の和平交渉を望まず「言葉で遊んでいる」と発言。米国がウクライナの石油精製施設への攻撃をめぐって情報共有の停止と引き換えに圧力をかけていることに加え、ディーゼル合意がガス取引や銀行・凍結資産など他の分野への制裁緩和につながる可能性を警告した。
報道の食い違い
二つの食い違いが浮き彫りになった。第一に、トランプ氏は双方がエネルギー停戦に合意したと述べたが、Financial Timesはウクライナが事前に通知を受けていなかったと報じた。第二に、バビシュ氏はトランプ氏の決定を欧州への「平手打ち」と批判したが、トランプ氏は自身の合意を戦争終結への一歩と位置付け、ゼレンスキー氏を交渉相手として不適切と評した。
背景
この対立は10月初旬から激化していた。10月11日、トランプ氏はプーチン氏とロシア産燃料の世界市場への供給で合意し、いわゆる「エネルギー停戦」を発表したが、これは石油精製施設への攻撃のみを対象とすると報じられた。同日、トランプ氏はゼレンスキー氏を「新しい大統領を選ぶべきだ」と公に批判した。10月14日、ゼレンスキー氏は米国がロシアの石油精製施設への攻撃継続なら情報共有を停止すると脅迫していたことを確認。15日、Financial Timesに対し、ウクライナがロシアの石油精製施設への攻撃を3日間の停止後に再開したと述べた。同日、トランプ氏はNewsmaxのインタビューでゼレンスキー氏への批判を繰り返した。また、12人の米国上院議員はトランプ氏とプーチン氏の合意を「ウクライナ国民への裏切り」と非難する書簡を、トランプ氏に送った。一方、欧州の指導者らはゼレンスキー氏に対し、EUとしてロシアへの制裁を緩和しないと公に保証した。