ワルシャワ安保フォーラムで米ウクライナ情報共有「継続」と確認、ウクライナ外相と米上院議員が言及
ワルシャワ安全保障フォーラムで、ウクライナのシビハ外相と米上院軍事委員会のウィッカー委員長(共和党)が、米ウクライナ間の情報共有が今も継続しており、相互にやり取りされていると述べた。背景には、米側がウクライナによるロシア石油精製施設への打撃を理由に情報共有を停止すると脅したとする報道や、10月12日夜のキエフへの弾道ミサイル攻撃で空襲警報が遅れたことへの懸念がある。
要点
- シビハ外相は10月13日のワルシャワ安全保障フォーラムで、米国からウクライナへの情報提供が継続していると確認した
- ウィッカー上院議員(米上院軍事委員会委員長)は情報交換は「双方向の通り」だと述べ、米国もウクライナから大量の情報を得ていると指摘した
- 10月12日夜、ロシアがキエフを弾道ミサイルで攻撃し、発射は攻撃中にしか検知されず空襲警報が遅れた
- ゼレンスキー大統領は同攻撃について、パートナーから事前警告がなかったと述べた
- 10月11日にトランプ氏が発表した「エネルギー停戦」は石油精製施設への相互攻撃停止を対象とするが、ウクライナのエネルギー施設は対象外とAxiosが報じた
- AxiosやFT、Bloomberg、CNNはトランプ氏の特使ウィトコフ氏とクシュナー氏がマイアミでの交渉で情報共有停止を脅したとする一方、米当局者とReutersの関係者は脅迫を否定している
何が起きたか
ポーランドのワルシャワ安全保障フォーラムで、ウクライナのシビハ外相と米上院軍事委員会のウィッカー委員長が発言し、米ウクライナ間の情報共有が今も継続していること、また相互にやり取りされていることを強調した。背景には、ウクライナによるロシア国内の石油精製施設への打撃を受けた報として、トランプ政権が情報共有を停止すると脅したとする複数の報道があった。10月12日夜、ロシアは弾道ミサイルでキエフを攻撃したが、ミサイルは発射後にしか検知されず、空襲警報は遅れて発令された。ゼレンスキー大統領は同攻撃について、パートナーから事前警告がなかったと述べた。10月11日、トランプ氏はロシアとウクライナ間の「エネルギー停戦」の発効を発表した。
ウクライナメディアの見方
ウクライナ側の報道は、シビハ外相による情報共有継続の確認と、ウィッカー議員の「双方向の通り」という表現を一つの安心材料として強調している。10月12日の空襲警報の遅れは、ロシア側の特殊な兵器使用によるものだという説明と切り離して報じられている。ゼレンスキー氏がパートナーからの事前警告がなかったと述べたことは、政治的言辞と当日の現場実態とのギャップを示すものと位置付けられている。
海外メディアの見方
国際的な報道は、情報共有問題を、ロシア産ディーゼル燃料に関するトランプ・プーチン間の取り決めや、ウクライナのロシア石油精製施設への打撃と関連した、米側によるウクライナへの圧力という枠組みの中で捉えている。ウィッカー議員の発言は、ロシア・中国・北朝鮮・イランによる「侵略の枢軸」というより広い文脈の中で紹介されている。クレムリンは米国による対ウクライナ情報共有拒否に関する情報を把握していないと述べた。
報道の食い違い
情報共有の停止脅迫の有無については、Axiоs、Financial Times、Bloomberg、CNNが米当局者や特使による脅迫があったと報じるのに対し、米当局者とReutersの関係者は脅迫自体を否定している。また、実際に情報共有が停止されたかどうかについては、シビハ氏とウィッカー氏は双方向の協力が継続中だと述べた一方、英国BBC報の地中海筋は四方向で情報が提供され続けていると報じ、ウクライナの『偽情報対策センター』はオンライン上で情報共有停止の憶測が流れていると指摘している。
背景
10月11日、トランプ氏は「エネルギー停戦」と位置付ける合意を発表したとされ、これはロシアとウクライナの石油精製施設への相互攻撃停止を対象とし、ウクライナのエネルギー施設は対象外だと報じられている。10月10日には、ウクライナと米国代表団によるマイアミでの交渉中、トランプ氏の特使ウィトコフ氏とクシュナー氏が、ウクライナがロシアの石油精製施設への攻撃を停止しなければ情報共有を停止すると脅したとする報道が出された。これより前には、2025年2月末のホワイトハウスの一件をめぐり、米国が2週間にわたり情報と標的情報を完全に停止し、クルスク作戦の実質的終結につながったとBBCは報じている。