ウクライナ汚職捜査機関、ECHR悪用による5400万グリブナ不正取得事件を裁判所に送付
ウクライナの国家汚職対策局(НАБУ)と反腐敗特別検察(САП)は、欧州人権裁判所(ECHR)への虚偽申立てを通じて国家予算から5418万グリブナを不正に取得したとされる事件を裁判所に送致した。メディアは事件の首謀者を「人民前線」出身の元議員ゲオルギー・ログヴィンスキーと報じており、同人は2023年8月からНАБУの指名手配リストに載っている。
要点
- НАБУとСАПは国家予算5418万グリブナの横領・資金洗浄事件を裁判所に送致した
- スキームは2013〜2016年に実行され、ТОВ「Золотой Мандарин Ойл」とПАТ「Київенерgo」の間のECHR紛争を利用したとされる
- 2013年9月、「Золотой Мандарин Ойл」代表がECHRに申し立て、これに基づき5418万グリブナが国家予算から支払われた
- 被告発者側は、ECHRに対し「Київенерго」への債権が既に別の企業に譲渡され5418万グリブナが受け取られていた事実を隠したとされている
- 元議員は当時司法省指導者部と合意し、ECHR担当政府全権委員に友好和解宣言を作成させた
- 元議員ログヴィンスキーは「人民前線」選出と報じられ、ウクライナを離れ2023年8月からНАБУの指名手配中
- 事件の初期被疑者には元ECHR担当政府全権委員ボリス・バビン氏と元司法省第一次副大臣ナタリア・ベルナツカ氏が含まれる
なぜ重要か
この事件は、二つの民間企業間の商業紛争を隠れ蓑にECHRプロセスを悪用し、国家予算から数千万グリブナを吸い上げるという手口に関与した疑いがある点が重要である。元議員、元司法省高官、当時のECHR担当政府全権委員が関与したことで、私的利益のための国家機関悪用という問いが浮上する。首謀者は国外逃亡中とされ、НАБУが指名手配しており、高級反腐敗裁判所では既に勾留関連の訴訟手続きが行われている。
何が起きたか
НАБУとСАПは、国家予算5418万グリブナの横領および資金洗浄に関する事件を裁判所に送致した。捜査によると、元議員が2013〜2016年にかけてスキームを立案・実行したとされる。2013年9月、「Золотой Мандарин Ойл」の代表者が被告発者の指示でECHRに申し立てを行い、「Київенго」に対する2009年からの未執行判決に基づく債務として国家予算から5418万グリブナを回収するよう求めた。 捜査によると、「Золотой Мандарин Ойл」は当時、70万グリブナ超の「Родовід Банк」向け債務をめぐり資産・口座が差し押さえられており、「Київенго」への債権は既に別の企業に譲渡され5418万グリブナが既に受け取られていた。被告発者らはこの事実をECHRから隠蔽したとされている。 元議員は当時司法省指導者部と合意し、ECHR担当政府全権委員に二つの民間企業間の紛争における判決未執行について国家責任を事実上認める友好和解宣言の作成を確保した。これに基づき5418万グリブナが国家予算から被告発者らが支配する企業に移転され、得られた資金は両替所を通じて資金洗浄されたと捜査はみている。 メディアは首謀者を「人民前線」出身の元議員ゲオルギー・ログヴィンスキーと報じており、同人は2023年8月からНАБУの指名手配リストに載っている。НАБУ自身の公式発表では主たる被疑者の氏名は明らかにされていない。
報道の食い違い
НАБУの公式発表は主たる被疑者の氏名を明らかにしていないが、ウクライナのメディア報道(ЛІГА.net LB.ua、ZN.UA)は首謀者を元議員ゲオルギー・ログヴィンスキーと特定している。
背景
捜査によると、スキームは2013〜2016年にかけて実行され、ТОВ「Золотой Мандарин Ойл」がПАТ「Київенго」に対する未執行判決に基づく5418万グリブナの債務を主張するECHR申立てを中心としていた。НАБУの公式発表は主たる被疑者の氏名を明らかにしていないが、メディアは元議員を「人民前線」会派出身のゲオルギー・ログヴィンスキーと報じている。捜査は2026年1月に完了した。事件の初期被疑者には元ECHR担当政府全権委員ボリス・バビン氏と元司法省第一次副大臣ナタリア・ベルナツカ氏が含まれていた。