凍結ロシア資産をEU特別機関に移管する新提案、ブリュッセルで公表
政治評論家のヒューゴ・ディクソン氏らがブリュッセルのEPC分析センターで、凍結されたロシア中央銀行資産をユーロクリアやクリアストリームなどの各国 depositary から、EUの特別機関の貸借対照表に移管する新たな提案を発表した。訴訟リスクから depositary を保護しつつ、ウクライナ向けの資金確保への法的基盤を整えることが狙いで、ウクライナのマルシェンコ財務相も戦時下の財政赤字を背景に支持を表明している。
要点
- 提案は9月29日にブリュッセルのEPC分析センターでヒューゴ・ディクソン氏らが発表
- 凍結されたロシア中央銀行口座をユーロクリア(ベルギー)、クリアストリーム(ルクセンブルク)、仏・EU内機関の管轄からEU特別機関の貸借対照表に移管
- 資産と付随する義務を depositary 変更の形で移管し、ロシアの形式的な所有権は当面維持
- EUが depositary とベルギーに対し、ロシアの対抗措置や没収の可能性への法的・財政的保護を提供する必要
- 提案はサダム・フセイン政権崩壊後のイラク中央銀行口座移管の先例に基づく
- 欧州理事会が昨年 rejected した従来案とは異なり、加盟国個別の保証を不要とする仕組み
- 共同提案者はディクソン氏、エディンバラ大学名誉教授リー・ブッハイト氏、PGIM副会長兼チーフグローバルエコノミストのダリープ・シン氏
- ウクライナのマルシェンコ財務相は、ロシアによる経済への攻撃の中、財政赤字が極度の課題だとして凍結資産活用の再検討を支持
なぜ重要か
この提案は欧州理事会が過去に rejects した方法とは別の新たな法的経路を示すもので、没収に踏み切らずに凍結されたロシア主権資産をウクライナ支援に動員できる可能性を開く。5月15日にモスクワの仲裁裁判所が Euroclear に対し約250億ドル相当のロシア中央銀行請求を認めたことで depositary 側の訴訟リスクが増大しており、新機構は Euroclear やクリアストリーム、ベルギー各国を Russian countermeasures から守る仕組みとして位置づけられる。ウクライナのマルシェンコ財務相も、Russian attacks にさらされる経済の極度の財政赤字を理由に凍結資産活用の再検討を支持を表明しており、ウクライナ向け追加財源の確保手段として注目される。
何が起きたか
ブリュッセルのEPC分析センターで、ウクライナの追加資金調達策に関するイベントが開催され、政治評論家で著者らが新たな提案を提示した。中心となったのはヒューゴ・ディクソン氏で、エディンバラ大学法学部の名誉教授リー・ブッハイト氏と PGIM 副会長兼チーフグローバルエコノミストのダリープ・シン氏が共同提案者となっている。提案は、凍結されたロシア中央銀行口座を Euroclear、クリアストリームおよび仏・EU内の他機関から、EUが新たに設ける特別機関の貸借対照表に移し、特別機関が custodian として機能するというもの。資産本体だけでなく付随する義務も depositary 変更の形で移管され、ロシア側の形式的所有権は当面維持される。EUは depositary やベルギーに対し、ロシアの対抗措置・没収の可能性への完全な法的・財政的保護を提供する必要があり、その代わり Euroclear 側には緊急流動性枠や特別国家保証を求めない仕組みとなる。EUレベルでの承認が得られれば、英・加・日のような significant Russian assets を抱える他の参加国にも門戸を開くとしている。背景事情として、5月15日にモスクワの仲裁裁判所がクローズド審理で Euroclear に対する約18.17兆ルーブル(現在相場で約2500億ドル、提訴時で約2300億ドル)のロシア中央銀行側請求を認めており、Euroclear はモスクワ裁判所の管轄権を認めないと声明を出している。
ウクライナメディアの見方
提供された記事はすべてウクライナ語・ウクライナ発であり、ウクライナの利益を中心に据えた共通した枠組みを示す。ウクライナのウォロディミル・マルシェンコ財務相が「Russian attacks が重要経済分野に及ぶ中、財政赤字は極度の課題であり、凍結ロシア資産活用のアイデア再検討が適切だ」と述べた点が前面に出されている。記事は本提案をロシア側を出し抜き、ウクライナの資金調達を解放する手段として描き、モスクワの Euroclear 判決を新機構の必要性を裏付ける材料として提示している。
報道の食い違い
ディクソン氏は提案が複数のEU加盟国と欧州議会議員の支持をすでに得ていると述べる一方、ウクライナ通信(ウクルインフォルム)の取材に対し、ベルギー政府からはまだ反応が得られていないと答えており、支持の所在について部分的な食い違いが見られる。
背景
提案者は、自身の着想がサダム・フセイン政権崩壊後に実施されたイラク中央銀行口座の移管という先例に基づくと説明している。また、EUの従来案は個別の加盟国保証を必要としており、加盟国間の重大な意見対立を生んでいたが、新機構は depositary 変更によりその必要性を取り払うとしている。