ラトビア大統領、NATOが集団決定すれば核兵器の国内配備を容認と表明
ラトビアのエドガルス・リンケービチス大統領は10月1日、NATOが集団で必要と判断すればラトビア国内への核兵器配備を受け入れる用意があると述べた。具体的交渉は現状行われていないとしつつ、ラトビア法には配備を禁じる規定がないことも強調。英ロンドンによるJEF参加国への核抑止拡大提案について記者会見で言及した。
要点
- ラトビアのリンケービビクス大統領は、NATOが集団決定すれば核兵器を配備すると明言
- 具体的交渉は現時点で実施されていないと大統領は説明
- ラトビア法には核兵器配備を禁じる規定がないと指摘
- 英国がJEF参加国への核抑止保護拡大を提案したと紹介
- ラトビアはすでに米英提供するNATOの核の傘下にあると発言
- リトアニアは憲法上の核兵器禁止条項を削除する手続きを進めていると対比
なぜ重要か
バルト三国の一角であるラトビアが核兵器配備を明示的に容認する姿勢を示したことで、NATO域内における核抑止のあり方をめぐる議論が新たな段階に入った。リトアニアが憲法上の禁止規定を削除する動きを続けている最中であり、北欧・バルト諸国の安保環境がロシアの脅威認識を背景に急速に変容しつつある現状を示す。
何が起きたか
ラトビアのエドガルス・リンケービチス大統領は10月1日、アンドリス・クルベルクス首相との会談後の記者会見で、英国がJEF(合同遠征軍)参加国に核抑止保護の拡大を提案したことを受けたコメントを実施した。大統領は、NATOが集団決定すれば核兵器をラトビアに配備する用意があると述べる一方、現時点で具体的交渉は行われていないと強調。ラトビア法には核配備を禁じる規定がないこと、またラトビアはすでに米英が提供するNATOの核の傘下にあることを併せて指摘した。さらに2003年のNATO加盟準備段階で、新規加盟候補国が核抑止を含む集団安保メカニズムの全面参加に制約を設けないと誓約していた経緯にも言及した。
海外メディアの見方
ウクライナ語報道はともに、NATOの最前線国の一角が核兵器配備に前向き姿勢を示した点を軸に、バルト地域の安保文脈およびNATOの集団的意思決定手続きを重視する枠組みで論じている。
背景
ラトビア憲法には核兵器配備を禁止する規定が存在せず、これは現在憲法改正で禁止条項の削除を進めているリトアニアと異なる。2003年にNATO加盟を準備していた各国は、集団安保メカニズムへの全面参加に制約を設けないと誓約していた。ラトビアはすでに米英が提供するNATOの核の傘下にあり、JEFには英、デンマーク、エストニア、フィンランド、アイスランド、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、スウェーデンが参加している。9月30日にはモスクワがカリーニングラード州の孤立化につながるNATO行動を理由に核兵器使用の可能性を警告し、NATOがこれを拒否して非難した。エストニアはフランスの欧州核抑止強化イニシアチブへの参加についてパリと協議を進めている。