EU防衛相会議、EUMAM訓練ミッションを2年延長 ウクライナ防空ミサイル増額は合意至らず
2026年9月28日、ブリュッセルでEU防衛相会議が開かれ、ウクライナ支援の柱であるEUMAM訓練ミッションの mandate をさらに2年延長することが合意された。オランダを含む5か国はウクライナ国内の2つの訓練センター近代化に資金を提供する。一方、追加防空迎撃ミサイルの供与では合意できず、カヤ・カラス上級代表は「新たな約束はなかった」と述べた。会議ではさらに、武力攻撃には至らないハイブリッド攻撃への共同対応を目指す「緊急プロトコル」案も協議された。
要点
- 9月28日、EU防衛相会議がブリュッセルで開催され、カヤ・カラスEU上級代表が議長を務めた
- EUMAM(ウクライナ支援EU軍事支援ミッション)のマンデートが2年延長された
- オランダ、ドイツ、アイルランド、デンマーク、ルクセンブルクがウクライナ国内の2つの訓練センター近代化に資金を提供
- オランダは訓練センター運営・近代化に1,000万ユーロを拠出
- 追加防空迎撃ミサイル供給についてEU加盟国は合意に至らず
- 武力攻撃閾値以下のハイブリッド攻撃に共同対応する「緊急プロトコル」案をEUが提案へ
- EUは900億ユーロのウクライナ信用枠組の下で283億ユーロ相当の防衛調達計画を既に承認
なぜ重要か
EUMAMマンデートの2年延長は、24加盟国が提供する訓練モジュールを通じて、ウクライナ軍人約9万7千人を訓練してきたEUの中心的パイプラインを2028年まで維持する。訓練センター近代化資金の確保は、訓練インフラをウクライナ国内に移す方向への具体的進展だが、戦略レビューは完全な移管には停戦または休戦が前提となると指摘する。防空迎撃ミサイル増額の合意失敗は、283億ユーロの調達計画が承認済みである一方、即時支援でのEUコンセンサスの限界を示す。「緊急プロトコル」案はNATO第4条をモデルとしており、武力攻撃閾値以下のサイバー攻撃やサボタージュに対するEU独自の調整メカニズムを初めて設ける試みとなる。
何が起きたか
2026年9月28日、EU外交理事会(防衛相構成)がブリュッセルで開かれ、カヤ・カラスEU上級代表が議長を務め、ウクライナのユヴェンヒイ・フマラ国防相がビデオ会議形式で出席した。会議ではEUMAM(ウクライナ支援EU軍事支援ミッション)のマンデートを2年延長することが合意され、戦略レビューの第一段階と位置付けられた。オランダ、ドイツ、アイルランド、デンマーク、ルクセンブルクの5か国は、ウクライナ国内の軍人向け訓練センター2か所の近代化資金を負担し、オイラーナーは1,000万ユーロの拠出を発表した。カラス上級代表は、オランダ拠出が資金ギャップを解消し、上記5か国の支援で両センターの作業が可能になったと述べた。EUは9月25日、欧州平和基金から66億ユーロをウクライナに配分することで合意しており、うち10億ユーロがウクライナ支援、9億ユーロがEUMAMに充てられる。一方、追加防空迎撃ミサイル供給については合意に至らず、カララス氏は「本日、新たな約束はなかった」と表明。会議ではまた、9月16日のフォン・デア・ライエン欧州委員長の一般教書演説で示された、武力攻撃閾値以下のハイブリッド攻撃に対するEU共同対応の「緊急プロトコル」案も議論された。
報道の食い違い
情報源によってEU防衛相会議の日付が9月18日と9月28日の両方で記載されている。EUMAMマンデート延長発表についても同様で、ウクルインフォルムの1資料が18日としているのに対し、欧州 prawda、ラディオ・スヴォボダ、ヌヴィナルニャ、LIGA.net LB.ua など他の大半の資料は28日としている。
背景
EUMAMは2022年11月に創設され、2024年11月に2026年11月15日までマンデートが延長されていた。24加盟国から約9万7千人のウクライナ軍人が訓練を受けている。「緊急プロトコル」構想は2026年9月16日のフォン・デア・ライエン欧州委員長の一般教書演説で初めて提示され、NATO第4条に類似したEU独自メカニズムとして位置付けられた。9月25日、EU加盟国は欧州平和基金からの66億ユーロ配分条件を合意し、うち10億ユーロがウクライナ支援、9億ユーロがEUMAMに割り当てられた。戦略レビューは西部ウクライナに既存の訓練センター3か所がインフラ・教官不足で完全稼働していないと指摘し、EUMAM訓練の一部・全部をウクライナに移すには停戦・休戦が前提になると記した。8月、ゼレンシキー大統領はウクライナの2026年防衛予算不足を270億ユーロと見積もっていた。