EU、加盟交渉の「ロードマップ」を策定へ——ウクライナ含む4カ国に明確な道筋
欧州委員会は、欧州統合の最前線にある4カ国——モンテネグロ、ウクライナ、モルドバ、アルバニア——に対し、段階的な加盟プロセスを示す個別「ロードマップ」を準備しているとPoliticoが報じた。各ロードマップには交渉クラスターの完了期日や、現加盟国の同意義務が含まれる見通し。6日には別途の拡大前政策レビューも提示される予定。
要点
- EUがロードマップの対象としているのはモンテネグロ、ウクライナ、モルドバ、アルバニアの4カ国
- ロードマップには改革継続を条件とした加盟保証と、クラスター完了の目安期日が盛り込まれる
- コソボ、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナは対象外。ジョージア、トルコ、セルビアも民主主義・司法の後退懸念により対象から除外
- フォン・デア・ライエン委員長は9月初旬の施政方針演説で「最も進捗した候補国」への集中的支援を約束
- 拡大前政策レビューは6日にEU当局者に提示予定。 adviserのAlexandre Adamが主導し、漸進的統合と新規加盟国の安全策を提案
- キエフの第1クラスター「基礎」は6月15日にモルドバと共に正式開設。第6クラスターは7月14日に開設済み
なぜ重要か
ロードマップは初めて、改革の進捗に応じた加盟保証を提示し、オープンエンドだった手続きに具体的な測定基準を導入する。4カ国のみを対象とし、7カ国(ジョージア・トルコ・セルビアを含む)を除外する設計は、改革と民主的基準の遵守を条件とするEUの姿勢を明確化する。さらに拡大前レビューは、交渉が長引く間に候補国をつなぎ留める「漸進的統合」と、新規加盟国への安全策を通じて、EU拡大のあり方そのものを変更する試みだ。
何が起きたか
欧州委員会は、欧州統合の主導国と位置付ける4カ国——モンテネグロ、ウクライナ、モルドバ、アルバニア——向けに、加盟への道筋を示す「ロードマップ」を準備している。Politicoが2名のEU上級当局者の話として報じた。各ロードマップには、改革を継続した場合の加盟保証、交渉クラスター完了の目安期日、現加盟国が承認すべき義務が含まれる。欧州委員会報道官はこれを認めた。コソボ、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナは進捗不足、ジョージア、トルコ、セルビアは民主主義・司法基準の後退により対象外。並行して、フォン・デア・ライエン委員長の顧問Alexandre Adamが主導する拡大前政策レビューが6日に提示される予定で、漸進的統合の経路や新規加盟国の安全策導入が提案される。フォン・デア・ライエン氏と拡大担当委員マルタ・コス氏がEU内部メカニズムの改定も提案する。
ウクライナメディアの見方
ウクライナ側メディアは一様に、ウクライナ向けの個別ロードマップが「明確で段階的な」加盟計画として初めて提示される点を強調し、キエフにとってのマイルストーンとして描写している。ハンガリーによるクラスター開設阻止への言及、ウクライナのセルヒイ・コレツキー首相の「欧州統合の道を外れない」発言、ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相によるクラスター阻止を行わない約束なども報じ、ウクライナは障害があっても軌道上にあるとの論調で一致している。
背景
ウクライナとモルドバは6月15日にルクセンブルクで第1交渉クラスター「基礎」を正式開設し、ウクライナの第6クラスター(対外関係)は7月14日に開設された。しかしハンガリーは7月17日と22日のCOELA会合で第2・第3クラスターの開設を阻止。作業部会は夏期休止後に再開予定。フォン・デア・ライエン委員長は9月初旬の施政方針演説で最先進候補国への集中的支援を表明。拡大問題は10月15〜16日のブリュッセル・サミットでも議題となる見込み。Politicoは以前、アルバニア向けに2027年末を交渉完了目標とするロードマップを計画していると報じていた。