発生日:9月25日 · 公開:

ウクライナ国防予算に270億ドルの赤字、ゼレンシキー氏とコリツキー首相が対応表明

ウクライナのゼレンシキー大統領とコリツキー首相は9月25日、今年の国防予算に270億ドルの赤字があると表明し、政府が近く穴埋めメカニズムを策定すると述べた。不足の大半はドローンとミサイルの購入費で、10〜11月に前払いしなければ来年1〜2月に深刻な影響が出ると警告した。ウクライ政府は国内予算の再配分とEU・IMFからの支援加速に期待を寄せている。

要点

  • ゼレンシキー大統領が9月25日、今年の国防予算赤字は270億ドルと述べた
  • 不足の大半はドローンとミサイル関連の資金で、10〜11月の発注・前払いが遅れると来年1〜2月に深刻な影響が出る
  • コリツキー首相は同日、国防省との会合を開催し、不足分の一部を既存事業内の予算再配分で賄うよう財務省に指示
  • EUに対しては90億ドルの融資枠の次期トランシェ前倒しを要請
  • IMFのゲオルギエバ総裁とEUのフォン・デア・ライエン委員長は改革推進と引き換えに財政支援継続を伝達
  • EU側は270億ドルの追加支援の条件として、脱影経済・税収増・EU法規整合性に関する法案の可決を提示

なぜ重要か

ウクライナ政府は国防予算に270億ドル規模の赤字があることを公に警告し、ドローンやミサイルの調達、兵士の給与支払いへの影響が年末から年始にかけて生じる可能性を示した。政府は国内予算の再配分とEUからの支援前倒しという二本立てで資金確保を目指しており、外部資金の条件となっている法整備を巡って国会と政権の連携が試されている。

何が起きたか

9月25日、ゼレンシキー大統領は記者との音声通話で、今年の国防予算に270億ドルの赤字があることを明らかにし、政府が短期間で穴埋め策を策定すると述べた。不足の大半はドローンとミサイル向けで、10〜11月に発注・前払いが行われなければ来年1〜2月に深刻な影響が出ると警告した。コリツキー首相も同日、国防省との会合後に一部を既存予算内の再配分で賄う方針を示し、財務省に対応を指示。ゼレンシキー氏はEU、IMF、産業界・金融界と協議し「前向きで建設的な反応」を得たと述べたが、IMFは軍事調達を直接資金援助できないと説明。EUに対しては90億ドル融資枠の第2トランシェ前倒しを要請した。

ウクライナメディアの見方

提供された報道は全てウクライナ発であり、大統領、首相、財務大臣、外相といった政府関係者が中心的な情報源となっている。記事は国防省と財務省による予算再配分の動きや、ベルホヴァ・ラーダで必要な法案を可決する必要性など、国内の運用面に重点を置いている。EUやIMFへの対応については、首相が欧州支援に期待を示し、外相が会談内容に関する「緊張していた」とする報道を否定して友好的・建設的だったと反論するなど、政府側の解釈が前面に出ている。

報道の食い違い

270億ドルという赤字数字の根拠について、ゼレンシキー大統領は確定的な数字として示しているが、上半期に国防省を率いていたミハイロ・フェドロフ氏はその数字の出所を承知していないと述べている。また、9月23日のゼレンシキー氏とフォン・デア・ライエン欧州委員長との電話会談について、ブルームバーグの関係者は「緊張した雰囲気だった」と伝えたが、スィビハ外相はこうした報道を捏造だと否定し、会談は友好的で建設的だったと主張した。

背景

9月1日、コリツキー首相は国防以外の支出について厳格な節減体制を導入し、700億UAHの節約を特定したと発表。9月4日にはマルchenko財務大臣が、2022年のロシアによる全面侵攻開始以来で最も緊迫した財政状況だと警告した。9月14日、コリツキー首相は必要な法案の可決が遅れれば295億ドルの国際支援受領が危ぶまれると発言。EU加盟国は欧州平和基金(EPF)から66億ユーロをウクライナに配分する条件で合意しているが、ウクライナ法への反映が前提となっている。