元最高司令官シルスキー氏、ウクライナ軍の2026年上半期の物資充足率は実需の15〜20%だったと述べる
ウクライナの元最高司令官オレクサンドル・シルスキー氏は2026年9月23日、LBとEFI Group主催の討論会で、2026年上半期のウクライナ軍への物資供給が全分野で実需のわずか15〜20%だったと述べた。不足は特に地上ロボット複合体(НРК)で深刻だったとし、責任の所在について問われると、当時のミハイロ・フェドロウ大臣に矛先を向けた。発言は7月の内閣総辞職とフェドロウ氏の辞任をめぐる政争の中で行われた。
要点
- シルスキー氏は2026年上半期のウクライナ軍への物資供給が全分野で実需の15〜20%だったと述べた
- 特に地上ロボット複合体(НРК)の不足が深刻で、シェル、ピックアップ、バギー、バイクも不足していたと指摘
- 問われた際、不足の原因は当時のミハイロ・フェドロウ大臣にあると述べた
- シルスキー氏は2026年キャンペーン計画の一部の履行に支障が出たとし、人的損耗にも影響したと述べた
- 殺傷地帯は約30キロ、兵站の60%は地上ロボットプラットフォームで担われていると発言
- 7月14日にフェドロウ氏を含む全閣僚が辞任する内閣総辞職が成立していた
- フェドロウ氏は最終記者会見で、逆にシルスキー氏らとの対立や解任提案を主張
なぜ重要か
最高司令官経験者が軍の物資不足を定量的に明らかにし、特定の政治家に対して公に責任を問うたことで、政争の最中にあるウクライナ軍指導部の問題が改めて可視化された。発言は2026年キャンペーン計画の一部履行に支障を来し、人的損耗にも影響したとされ、早期の補給体制と指揮系統のあり方に疑問を突きつけている。
何が起きたか
オレクサンドル・シルスキー氏は2026年9月23日、ウクライナ軍の元最高司令官として、LBとEFI Group主催の討論会で発言した。同氏は2026年上半期のウクライナ軍への補給が全分野で実需の15〜20%にとどまったと述べ、シェル、ピックアップ、バギー、バイク、そして特に地上ロボット複合体(НРК)が不足していたとした。フェドロウ氏に原因を問われると、その責任はフェドロウ氏にあると回答。シルスキー氏はこの不足が2026年キャンペーン計画の一部の履行を妨げ、人的損耗にも影響したと主張した。また殺傷地帯は約30キロ、兵站の60%は地上ロボットプラットフォームで担われていると述べた。
ウクライナメディアの見方
ウクライナ国内メディアの報道は、シルスキー氏の物資不足に関する証言を中心に据え、責任をフェドロウ氏に帰属する発言を大きく取り上げた。7月14日の閣議全体辞任やフェドロウ氏とシルスキー氏の対立といった政治的背景を前面に出し、中立的な兵站報告というよりも指導部内の係争の一環としての位置付けで報じている。
報道の食い違い
シルスキー氏は物資不足の責任を当時のフェドロウ大臣に直接帰属させた。一方、フェドロウ氏は自身の最終記者会見で、自身がシルスキー氏やフナトフ参謀長との対立を抱え、両氏の解任を提案していたと主張。報道によればゼレンスキー大統領は「本来はフェドロウ氏とシルスキー氏の両方を解任すべきだが、今はできない」と与党「国民の僕」会派に述べたとも伝わる。
背景
フェドロウ氏は7月14日に最高ラダがユリア・スヴィリデンコ首相率いる内閣全体の辞任決議を承認したのに伴い、防衛大臣を退任した。最終記者会見でフェドロウ氏は、シルスキー氏と対立しており、シルスキー氏とフナトフ参謀長の交代を提案していたと述べた。さらに、シルスキー氏が「最後通牒を突きつけた」「国を分裂させる案を思いついた」とも主張した。報道によれば、ゼレンスキー氏は18〜19日に軍関係者を招集し、戦況評価を聴取し後任候補と面談するとも報じられた。解任観測が高まる中、防衛軍司令官たちがシルスキー氏支持の声明を公に出し、ウクライナのメディアhromadskeは旅団司令官らに支持表明動画の撮影命令が出たと報じた。