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ゼレンスキー氏とトランプ氏、国連総会で会談―エネルギー停戦案とパトリオット生産を協議

2026年9月22日、ウクライナのゼレンスキー大統領がニューヨークで開催中の第81回国連総会に出席し、米国のトランプ大統領と会談した。ウクライナは、石油精製施設などに対する相互のエネルギー停戦を提案し、米国がロシアへ伝えると約束した。両氏は、ウクライナでのパトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンスや、ロシアのプーチン大統領との三者会談の可能性についても議論した。ゼレンスキー氏はトランプ氏の支援を得て冬までに戦争終結を期待すると表明し、トランプ氏は国連総会演説で戦争終結は「人々が思うより早く」実現すると述べた。

要点

  • 9月22日、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領がニューヨークの第81回国連総会の場で会談した
  • ウクライナは相互のエネルギー停戦を提案―ロシアがウクライナのエネルギー・暖房・水道施設への攻撃をやめれば、ウクライナはロシアの石油精製施設への攻撃をやめるとした
  • 米国はウクライナ案をロシアに伝達すると約束した
  • 両氏はパトリオット迎撃ミサイルのウクライナ国内製造ライセンスについて議論、ゼレンスキー氏はトランプ氏が前向きと発言
  • ゼレンスキー氏はプーチン氏と個人的にいつでも会う用意があると表明、トランプ氏が三者会談を組織する可能性に言及
  • ゼレンスキー氏は冬までに戦争終結を希望、トランプ氏も「朗報だ」と同意
  • トランプ氏は国連総会演説で戦争は「人々が思うより速く」終結すると述べた
  • トランプ氏は9月18日夜から19日にかけて署名した「リンジー・グレアム法」を必要ならロシアに対して適用すると述べた

なぜ重要か

国連総会週におけるウクライナと米国の最重要レベルの二国間会談の一つで、戦争終結への近道となる可能性のある複数の具体的措置―相互エネルギー停戦、パトリオット製造ライセンス、三者会談への備え―を提示した。米国がロシアへ伝達する初の正式なウクライナ提案がテーブルに置かれ、停戦交渉の足がかりとなる可能性がある。さらにパトリオット迎撃ミサイルのウクライナ国内製造は、西側の防衛産業協力を長期的に転換する意義を持つ。

何が起きたか

9月22日、第81回国連総会の会期中に、ウクライナのゼレンスキー大統領と米国のトランプ大統領がニューヨークで約40分間の会談を行った(報道によれば、開始は現地時間13時頃、会期は30〜40分)。ウクライナの代表団にはキリロ・ブダノフ大統領府長官、ルステム・ウメロウ対外情報庁長官、アンドリー・シビハ外相、ダヴィド・アラハーミア親政権院内会派代表、パヴロ・パリサ大統領府副長官らが含まれ、米側の代表団にはマルコ・ルビオ国務長官、スコット・ベッセント財務長官、特別代表のスティーブ・ウィトコフ氏とジェレッド・クシュナー氏が名を連ねた。会談の主題は、ロシア・ウクライナ戦争の終結を求める外交努力、相互のエネルギー停戦、ウクライナの防空能力強化、ウクライナでのパトリオット迎撃ミサイルの生産ライセンス、テヘランやキシナウ近郊などに対するロシアの脅威、冬季への備えであった。

ゼレンスキー氏はロシアのプーチン大統領と個人的にいつでも会談する用意があると表明し、トランプ氏は三者会談を組織する手助けが可能との認識を示したが、プーチン氏は準備ができていないとの見方も示した。両氏は、ウクライナの防空用パトリオット迎撃ミサイルの冬に向けた追加供給と、ウクライナの製造施設へのライセンス供与について議論した。トランプ氏は国連総会演説で、ロシア・ウクライナ戦争の終結は「人々が認識するよりも早く」実現すると述べ、米国は両国の指導者と緊密に連携していると語った。ゼレンスキー氏は冬までに戦争を終結させたいと述べ、トランプ氏も「朗報だ」と同意した。

会談に先立ち、ゼレンスキー氏は9月21日に米国上院議員と会い、グレアム法案への支持へ謝意を表明し、弾道ミサイル防衛ニーズと冬季への課題、提案するデエスカレーション案について話し合った。米国のドナルド・トランプ大統領と並んでゼレンスキー氏は記者団に対し、ロシアの石油精製施設への攻撃停止を求める米国からの一方的な要求はなかったとの認識を示し、米国がウクライナのエネルギー停戦提案をロシアに伝達すると約束したと述べた。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの主要報道機関はゼレンスキー大統領側の発信を軸に会談を描き、対称的なエネルギー停戦案・パトリオット製造ライセンス・習近平氏を通じた対ロ圧力の要請といった「具体的な提案を持って臨んだ」と強調した。プーチン氏は三者会談や戦争終結の用意がないというゼレンスキー氏の声明を大きく扱い、ロシア側に誠意がないと疑念を示した報道が目立った。ウクライナの防空強化と冬季支援、上院議員会合で示された超党派支持の継続も繰り返しの論点だった。

海外メディアの見方

英語圏・国際報道の焦点はトランプ氏の発言にあった。「戦争を終わらせろ!」「人々が思うより早く」という国連総会演説での言い回しや、署名したばかりの「グレアム法」をテコにする姿勢が大きく報じられた。プーチン氏もゼレンスキー氏も戦争を終結させたいとトランプ氏が主張した一方、ゼレンスキー氏がそれに懐疑的である点も対比的に伝えられた。会談前の報道(ガーディアン、ロイター)は、世界的なディーゼル価格高騰を背景にトランプ氏がエネルギー停戦を押し出すとの見方を示し、一定の距離を置いていた。更にはマイアミでのG20サミットに合わせた三者会談構想や、イラン・キューバ・ベネズエラを含む国連総会全体を通じたトランプ氏の発言も同時に論じられた。

背景

会談は9月22日から28日までニューヨークで開催される第81回国連総会ハイレベル・ウィークの期間中に行われた。同行した130人以上の国家元首・政府首脳が出席する中で、ゼレンスキー氏は9月21日に米国上院議員との協議で訪問を開始。エネルギー施設の相互停止案に加え、対ロ制裁法制の進捗や弾道ミサイル防衛の必要性を訴えた。米国では8月7日に上院が、9月16日に下院が、リンジー・グレアム上院議員らが提出した対ロ制裁法案を可決。トランプ氏は9月18〜19日の夜に署名し「リンジー・O・グレアム2026年ロシア・イラン制裁法」として成立、ロシア産エネルギーを購入し続ける国に対する最大100%の関税を大統領が科せる権限などを定めた。前回のトランプ・ゼレンスキー会談は7月28日にホワイトハウスで行われ、8月にはトランプ氏とプーチン氏がアラスカで会談していた。会談直前の9月20日にはトランプ氏とゼレンスキー氏が電話会談し、原油価格への影響を理由にロシア石油施設への攻撃停止を求めている。