トランプ氏、ウクライナに「パトリオット」の旧型版生産ライセンスの可能性を示唆
トランプ米大統領は記者団に対し、ウクライナがパトリオット防空システムのミサイルを生産するライセンスを取得できる可能性があるが、それは「より旧式の」バージョンに限られると述べた。ゼレンスキー氏は前日、両者間で同問題を「政治的に」解決したと述べており、トランプ氏の発言はその後の立場を部分的に確認したものと言える。
要点
- トランプ氏はウクライナが「パトリオット」の「より旧式の/より近代的ではない」ミサイルを生産するライセンスを得られる可能性があると述べた
- 発言は専用機内で記者団の質問に答えた形で行われた
- トランプ氏は交渉の対象となるミサイルの具体的な型式を明らかにしなかった
- ゼレンスキー氏は前日、トランプ氏とともにパトリオット生産問題を「政治的に」解決したと述べていた
- トランプ氏は以前、技術の移転はまだ承認していないとし、受領国が「いつか自国に対して使う」可能性を挙げていた
- トランプ氏は米国内の兵器備蓄が豊富であり、パトリオット生産量は過去最大だと述べた
- 9月12日、ゼレンスキー氏はロシアが月に約140発の弾道ミサイルを製造していると発言した
なぜ重要か
パトリオット迎撃ミサイルは、ロシアの弾道・巡航ミサイルからウクライナを守る防空の要であり、ゼレンスキー氏は冬に月100〜120発が必要と公に述べている。ウクライナ国内での生産が実現すれば、米国・欧州の備蓄への依存を減らせる可能性がある。トランプ氏が示した限定的な「旧式版」のライセンスは、新型ではなく旧型のPAC-2を含む可能性があり、ウクライナの防空能力強化に一定の意義がある一方、ゼレンスキー氏の主張する「政治的に解決済み」との立場との食い違いは米ウクライナ間の兵器交渉の摩擦を示している。
何が起きたか
トランプ米大統領は専用機上で記者団に対し、ウクライナがパトリオット防空システムのミサイルを生産するライセンスを取得できる可能性はあるが、「より旧式のバージョン」に限られると述べた。トランプ氏は交渉の対象となる具体的なミサイルの型式を明らかにしなかった。ゼレンスキー氏は前日、トランプ氏とともに生産問題を「政治的に」解決したと述べていたが、トランプ氏は以前、技術の移転はまだ承認しておらず、受領国が「いつか自国に対して使うかもしれない」と懸念を示していた。今回の発言は、ゼレンスキー氏の「政治的に解決済み」との主張を部分的に確認する形となったが、最新の型ではなく旧式のバージョンに限定される点で制約を残した。
ウクライナメディアの見方
ウクライナメディアは一様に、この問題をウクライナの防空需要の観点から報じている。ゼレンスキー氏が「政治的に解決済み」と述べたことを強調しつつ、トランプ氏の発言を「より旧式のバージョン」への限定を伴う部分的な成功として位置づけている。記事の中では、ミサイル供給の不足、ドイツによるPAC-2供与、EUによるパトリオット購入資金の承認、ゼレンスキー氏が示した月次必要量などの背景が詳細に説明されている。
報道の食い違い
情報源によって、トランプ氏の立場とゼレンスキー氏の立場の間に食い違いがある。ゼレンスキー氏は両者間で「政治的に解決済み」と述べる一方、トランプ氏はかつてライセンス供与を確認し、その後翻意し、「より旧式のバージョン」での部分的な供与を再び示唆している。
背景
7月29日、ゼレンスキー氏は冬に向けて300発のパトリオット迎撃ミサイルの緊急移転を求めたが、米国は備蓄の制約を理由に拒否した。8月5日、ゼレンスキー氏はウクライナ防空へのミサイル供給が前年比で3分の1に減少したと述べ、パートナー側は中東での戦闘行動を公式理由として挙げた。9月8日、ドイツは連邦軍備蓄からのPAC-2パトリオット迎撃ミサイルのウクライナへの移転を発表した。EU加盟国はまた、900億ユーロのEU融資から約32億ユーロ相当の米国製パトリオット迎撃ミサイルをウクライナのために購入することを承認した。9月12日、ゼレンスキー氏はロシアが月に約140発の弾道ミサイルを生産していると述べた。国務長官マルコ・ルビオ氏と副大統領JD・ヴァンス氏は、パトリオット生産ライセンスに関する交渉が継続中であると述べている。