Diiaポータルに新たな損害申請4カテゴリが追加——国際ウクライナビルド-register(RD4U)
ウクライナのDiiaポータルは8日、国際的なウクライナビルド-register(RD4U)への申請カテゴリを4つ新たに追加した。新たなカテゴリには医療・教育へのアクセス喪失、既存のカテゴリでは捕捉されない国際法違反、その他の経済的損失が含まれ、利用者は同ポータルからフォームに記入・証拠を添付して申請できる。記録された損害情報は、将来ロシアが補償する仕組みの基盤となる。
要点
- DiiaポータルにRD4U向け新カテゴリ4件(A4.1、A4.2、A2.10、A3.7)が追加された
- A4.1=医療アクセス喪失:病院破壊、医療スタッフ不足、施設への到達不能など
- A4.2=教育アクセス喪失:教育施設の損壊、占領、生命の危険、遠隔受講不能など
- A2.10=その他の国際法違反:人道支援・水道・暖房・電力へのアクセスの制限、ロシア市民権の強制的付与、市民の「人間の盾」としての利用など
- A3.7=その他の経済的損失:親族の死亡・失踪による物質的支援の喪失、治療費・埋葬費、価値ある動産の喪失、個人事業主の資産喪失など
- 申請はDiiaポータルにログインし「Reparations: international Register of Damage」セクションから必要書類を添付・署名して送信する
- 2026年4月末時点でRD4Uには約15万件(21カテゴリ)の申請があり、1日約200件が追加されている
なぜ重要か
新カテゴリの追加は、ウクライナの戦争被害者がDiiaポータルから国際的な損害登録制度に正式に記録できる被害類型を広げる。特に医療・教育へのアクセス喪失は従来定量化が困難だったが、正式な国際法上の損害として位置づけられる意義がある。また、ロシア市民権の強制的付与や「人間の盾」としての利用が国際法違反として明示的にカテゴリ化された点も見逃せない。集められた証拠情報は、最終的にロシアが支払う将来の補償メカニズムの基盤となる。
何が起きたか
ウクライナのDiiaポータルは4つの新しい申請カテゴリを国際ウクライナビルド-register(RD4U)に追加した。A4.1は医療アクセス喪失(病院の破壊、医療スタッフの不足、施設への到達不能などで治療・手術を受けられなかった場合)、A4.2は教育アクセス喪失(教育施設の損壊、占領、生命への危険、遠隔での学習不能によるもの)を対象とする。A2.10は他のカテゴリでカバーされない国際法違反(人道支援・水道・暖房・電力へのアクセスの制限、ロシア市民権の強制的付与、市民の人間の盾としての利用など)を対象とする。A3.7は他のカテゴリに含まれない経済的損失(親族の死亡・失踪に伴う物質的支援の喪失、治療・埋葬費、価値ある動産や個人事業主の資産の喪失など)を対象とする。利用申請はDiiaポータルにログインし、「Reparations: international Register of Damage」セクションで該当カテゴリを選び、フォーム記入、証拠の添付、署名、送信という手順で行われ、申請は自動的にRD4Uへ転送される。オムブズマン(人権担当)Lubinetsは、戦争被害者向け申請カテゴリ4種が新設されたことを明らかにした。
ウクライナメディアの見方
出典はすべてウクライナ国内メディア(ウクルインフォルム、LB.ua、ススピリネ・ノヴィヌィ、Forbes Ukraine、ベーベル、インターフェークス・ウクライナ、ホロマドスケ・ラジオ、NV)であり、ロシアによる侵略の被害を記録する制度としての枠組みで報じている。新カテゴリの運用にはデジタル转型省と司法省が関わり、Diiaポータルを通じた利用者体験(どのカテゴリが開き、どう申請するか)が報道の中心となっている。報道全体は、記録された損害を将来の補償メカニズム——最終的にロシアが支払う枠組み——の基盤として位置づけている。
報道の食い違い
出典はRD4Uの運用開始時期について一致していない。一方は「欧州評議会の下で2023年に業務開始」としており、もう一方は「2024年4月に運用開始」としている。また、累積申請数についても差があり、2026年4月末時点で約15万件とする出典と、8月中旬時点で約18万件とする出典がある。
背景
国際ウクライナビルド-register(RD4U)は、ウクライナ、EU、その他43か国によって創設され、本部はハーグにある。創設協定は2023年5月17日、欧州評議会の40以上の加盟国および米国、日本、カナダによって署名された。RD4Uはロシアの侵略による損害に関する申請、データ、証拠を収集・保管・体系化する役割を担い、補償の支払い自体は行わない。2026年4月末時点で約15万件の申請があり、1日約200件が追加され、最終的には600万〜800万件に達すると見込まれる。申請審査と実際の損害額評価を行う補償委員会の設置は欧州評議会議員会議(PACE)が支持し、ウクライナ議会(ヴェルホヴナ・ラーダ)が批准した。補償の支払いはメカニズムの第3段階でロシアが担うとされる。Diiaポータル上の同サービスはデジタル转型省と司法省が運営し、スイス・ウクライナEGAPプログラムが開発支援を行っている。