ロシア産ディーゼル燃料の輸出再開、米国財務省のライセンスとトランプ氏とプーチン氏の会談を受け
ロシアはディーゼル燃料の対外輸出を再開し、米露首脳の電話会談後に米国財務省外国資産管理室(OFAC)が2027年4月まで有効な一時的一般ライセンスを発給したことで、この再開が可能となった。14日にDolunay号がプリモルスク港を出航してトルコのalanya向けに出帆し、16日にはLeruo号が同港からブラジルのマナウス向けに出航した。ゼレンスキー大統領は米国の決定を「弱さ」だと批判した。
要点
- 10月9日、トランプ氏とプーチン氏の電話会談を受け、OFACは2027年4月まで有効な一時的一般ライセンスを発給し、ロシア産ディーゼルの世界市場への供給を認めた
- 10月14日、Dolunay号がプリモルスク港を出航し、ディーゼル積載貨物でトルコのalanya向けと宣言
- 10月16日、Leruo号がプリモルスク港を出航し、ブラジルのマナウス向けと宣言
- 10月17日、トランプ氏はリンゼー・グラハム法で規定されたロシア産エネルギー資源購入者への関税と制裁の適用を停止
- ゼレンスキー氏は米国の決定を「弱い」と批判し、制裁緩和が戦争を止めずプーチン氏を助長するだけだと警告した
- ロシアは世界第2位のディーゼル輸出国で、トルコとブラジルは2023年以降ロシア産ディーゼルの最大の買い手2カ国となっている
- ロシアはウクライナによる石油精製所への攻撃で導入したディーゼル輸出制限を即時解除すると発表した
なぜ重要か
世界のディーゼル貿易網はロシアに大きく依存しており、米国によるライセンス発給と制裁停止はロシアへの圧力を大きく緩和する。ウクライナ戦争を継続するロシアの資金源に直接影響し、ウクライナとその最大の支援国である米国との間の摩擦を増幅させる。
何が起きたか
10月9日にトランプ氏とプーチン氏が電話会談を行った後、米国財務省外国資産管理室(OFAC)は2027年4月まで有効な一時的一般ライセンスを発給し、ロシア産ディーゼルの世界市場への供給を許可した。ロシアの副首相オレクサンドル・ノヴァク氏は、ウクライナの石油精製所攻撃後に国内燃料不足を受けて導入されたディーゼル燃料の輸出制限を即時解除すると発表した。10月14日、Dolunay号がバルト海のプリモルスク港を出航してディーゼルを積み、トルコのalanya行きと宣言した。10月16日、Leruo号も同じ港を出航し、ブラジルのマナウス行きと宣言した。10月17日にはトランプ氏が、9月に成立したリンゼー・グラハム法で規定されたロシア産エネルギー資源購入者への関税および制裁の適用を停止した。ゼレンスキー氏はこの動きを「弱さ」と批判し、戦争を止めるどころかプーチン氏に継続を促すだけだと警告した。ロシア産ディーゼルはモロッコにも届き始めた。
ウクライナメディアの見方
ウクライナの情報源は一様に、ロシアによる再開よりも米国のOFACライセンス発給と制裁停止の政治的意味合いを前面に出す。ウクライナ側は、ウクライナの石油精製所攻撃がロシアによる禁輸措置とその解除の直接の原因だと位置付け、エネルギー問題を露宇戦争の広い文脈の中に組み込んでいる。ゼレンスキー氏のロシアへの制裁緩和を「弱さ」だとする発言が強調され、グラハム法の下での制裁停止は技術的な調整ではなく政治的に重大なエスカレーションとして描かれている。
海外メディアの見方
提供された情報源はすべてウクライナ側のもので、別個の国際的な枠組みは示されていない。
背景
ロシアは夏にディーゼル輸出を削減し、ウクライナの石油精製所への攻撃を受けた国内の燃料不足を受けて完全な禁輸措置を導入した。ロシア政府は9月30日に生産者によるディーゼルおよび船舶用燃料の禁輸を10月末まで延長している。ウクライナの全面侵攻を受けた西側の制裁によってロシアの石油輸出経路が再編され、2023年以降はトルコとブラジルがロシア産ディーゼルの最大の買い手となっている。米国は世界最大のディーゼル輸出国でもある。