ゼレンシキー氏、2026年のロシア軍による占領890km・解放800kmを明かす プーチン氏との会談に意欲
ゼレンシキー大統領はWall Street Journalのインタビューで、2026年にロシアが890km、ウクライナが800kmの領土をそれぞれ支配下に置いたと述べた。ロシア軍の人員損失は27万人に上るとも主張した。22日にトランプ米大統領とニューヨークで会談したゼレンシキー氏は、プーチン氏との三者会談開催へ意欲を示し、冬までに戦争終結を目指す考えを表明した。これに対しクレムリンのペスコフ報道官は平和交渉への前提条件はないと反論している。
要点
- ゼレンシキー氏: 2026年にロシアが890km、ウクライナが800kmの領土を掌握/解放
- 年間差は約100kmでロシア側に有利、損失27万人と主張
- ゼレンシキー氏: 「戦場ではほとんど全てが停滞している」
- 22日、ゼレンシキー氏とトランプ氏がニューヨークで会談、トランプ氏は「戦争を終結させよ」とプーチン氏に呼びかけ
- ゼレンシキー氏: トランプ氏の仲介によるプーチン氏との三者会談に意欲
- トランプ氏: 必要ならロシアへの制裁に関する「グラム法」の適用も辞さない姿勢
- ペスコフ氏: 平和交渉への前提条件は現時点でないとし、ゼレンシキー氏がモスクワ訪問する可能性に言及
なぜ重要か
ゼレンシキー氏がこれまで明らかにしてこなかった年間規模の具体的な領土変動と人的損失の数字を公にしたことで、戦況評価の議論が大きく動く可能性がある。同時に、ウクライナ側がトランプ氏の仲介による三者会談に前向きな姿勢を示した一方、クレムリンがモスクワでの交渉という対立する形式を提示したことで、和平プロセスの行く手には依然として根本的な隔たりがあることが浮き彫りになった。
何が起きたか
ゼレンシキー大統領はWall Street Journalのインタビューに応じ、2026年中の戦況について詳細な数字を公表した。それによると、ロシア側は890kmのウクライナ領土を占領し、ウクライナ側は800kmを解放。差し引き約100kmがロシア側に残った計算となる。ロシア軍の人員損失は27万人に達したとも述べた。「戦場ではほとんど全てが停滞している」と表現し、以前のロシアによる年間3000〜4000kmの占領ペースと比較すれば規模は縮小しているとの見方を示した。
ゼレンシキー氏は22日、ニューヨークの国連総会の合間にトランプ米大統領と会談。会談後の記者会見ではプーチン氏と会談する用意があることを表明し、トランプ氏が三者会談の枠組みを調整できる可能性に言及した。冬までに戦争を終結させたいという希望も示した。トランプ氏は必要に応じてロシアへの制裁を規定する「グラム法」の適用も辞さない構えを見せ、プーチン氏に対して「戦争を終結させよ」と呼びかけた。
ロシア側はペスコフ大統領報道官が反応し、現時点では「平和の軌道」に移行する前提条件がないと主張。プーチン氏の言葉として、ゼレンシキー氏が望むならモスクワに来て交渉することが可能であり、必要な安全保証も提供されると述べた。一方で、首脳会談は専門家レベルの作業が完了するまで「時間の浪失」であり「非効率」だとの立場を強調した。
報道の食い違い
ウクライナ側(ゼレンシキー氏)は、トランプ氏の仲介による三者会談に臨む用意があるとし、和平プロセスが進展していないのはモスクワ側の責任だという立場を取っている。これに対しロシア側(ペスコフ氏)は平和交渉への前提条件がまだ整っていないと主張し、交渉の形式としてゼレンシキー氏がモスクワを訪れる選択肢を提示。この両者の姿勢は、和平の進め方と開催地をめぐって根本的な不一致を示している。
背景
ゼレンシキー氏は以前、ロシアによる年間の領土占領ペースを3000〜4000kmと見積もっていたが、2026年については890kmと大幅に低い数字を提示した。これは前線での膠着状態を示す一方で、ロシア側の人的消耗が27万人に達するという主張と合わせ、ウクライナ側の戦況認識を反映している。トランプ氏は公の場で「グラム法」によるロシア制裁の可能性に言及しており、和平実現への圧力手段として位置づけられている。