公開: · 更新:

ゼレンスキー氏、黒海の安全航行体制への合意表明──ロシアの対応を待つ

23日、第6回クリミア・プラットフォーム・サミットで演説したウクライナのゼレンスキー大統領は、黒海における船舶の安全通行体制にウクライナが合意したと発表し、仲介国を通じてロシアの回答を待っていると述べた。エジプト、インド、トルコが書面で提案を提示済みで、ウクライナはロシアが具体的な緊張緩和措置を取るなら、穀物・肥料・軽油・石油の無障害輸送を確保する用意があると強調した。

要点

  • 9月23日、ゼレンスキー大統領が第6回クリミア・プラットフォーム・サミットで演説
  • ウクライナは黒海の船舶安全通行体制に合意済みで、仲介国を通じたロシアの回答を待つ
  • エジプト、インド、トルコが黒海航行と食料安保に関する書面の提案を提示──「文書化された」状態
  • ゼレンスキー氏は、ロシアが2014年にクリミアを併合し大規模な軍事基地化していなければ、穀物・肥料・軽油・石油の黒海輸出は妨げられないと主張
  • 2026年7月と8月上旬に52隻の民間船舶が攻撃を受けたと報告
  • 2026年8月のウクライナ産穀物輸出は前年同月比2.5倍の減少幅で98万1000トン
  • キーは8月、グレート・オデッサ港向け出荷が94.9%減の6万8500トン(スパイク・ブローカーズ調べ)

なぜ重要か

ウクライナの黒海航行再開への正式合意表明は、海上封鎖の終結に向けた交渉意思の明確なシグナルである。同時に、提案がエジプト・インド・トルコの三者による枠組みであることから、二国間ではなく複数国ベースの外交イニシアチブとなっている。回答を保留しているロシアの出方次第で、ウクライナ産穀物の輸出経路、ひいては世界の食料価格に直接影響する問題である。

何が起きたか

9月23日、ニューヨークで開催された第6回クリミア・プラットフォーム・サミットで、ゼレンスキー大統領は黒海における船舶の安全通行体制にウクライナが合意したと発表した。エジプト、インド、トルコが書面で提出した選択肢は「文書化された」状態にあり、ウクライナは仲介国経由でロシアの公式回答を待っている。大統領は、2014年のクリミア併合と半島の軍事基地化が現在の食料・エネルギー価格上昇の根本原因だと改めて主張し、穀物・肥料・軽油・石油の無障害輸送が妨げられているのはそのためだと述べた。ゼレンスキー氏は、ロシアが相互の緊張緩和措置を取るなら、ウクライナは黒海での平和的な安全な航行と食料安保を確保する用意があると表明。会期中、トルコのアブドゥルrahman・フィダン外相は交渉を加速させていることを明らかにし、ゼレンスキー氏とトルコのエルドアン大統領の会談もニューヨークで行われた。

ウクライナメディアの見方

出典となっているのは全てウクライナ語メディアおよび通信社である。これらはゼレンスキー氏の声明を中心に据え、ウクライナの交渉用意と、ロシアがもたらした海上の混乱という構図を強調する。2014年のクリミア併合を黒海輸出問題の根源として位置づけ、ロシアによる民間船舶への攻撃を「意図的な経済的・人道的なテロ」と位置付ける論調も共通する。仲介国、特にトルコの外交努力(フィダン外相の交渉強化やゼレンスキー–エルドアン会談)、ならびにエジプトとインドの役割も前面に出されている。

背景

ロシアは2014年にクリミアを併合し半島を militarization した。2022年の全面侵攻後は世界的な食料価格が急騰し、開発途上国を特に直撃。9月18日に開幕した国連総会で、欧州連合の当局者にとって2022年の食料危機再発防止が課題の一つとなっていた。ロシアによる港湾インフラ・民間船舶への被害は、復興・インフラ・運輸省のミコラ・カラシニク大臣によれば全面侵攻開始以降1,173件の港湾インフラと274隻の民間船舶に及び、7月22日以降はグレート・オデッサ港の貨物処理量が15倍以上のペースで減少した。ロシアとウクライナの食料約1億トン(ロシア産穀物約6,000万トンとウクライナ産穀物・油糧種子3,000万〜3,500万トン)が世界市場に届かない状態が続いている。フォーブス・ウクライナによれば、2026/27マーケティング年度末まで穀物輸出の海上封鎖が続けば、ウクライナは約50億ドル超の輸出収入を失い約2,400万トンの穀物を出荷できなくなる可能性があると見積もられる。9月14日、トランプ米大統領は世界の軽油価格上昇の主因はイラン情勢ではなくロシアの対ウクライナ戦争だと発言、ゼレンスキー氏はパートナーがロシアの遵守を保証できるなら臨界インフラへの相互攻撃停止に応じる用意があると応じた。9月15日、クレムリンのペスコフ報道官は『エネルギーの休止』を『非常に良いアイデア』と呼びつつ、それ以前はエネルギーをウクライナの『アキレス腱』と呼んで可能性を除外していた。ウクライナはまた、国連51加盟国とともに完全・即時・無条件の停戦を求めて共同声明を出している。