ポーランド外相、ベラルーシ外相と約10年ぶり会合「突破口」と評価
ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は国連総会の合間にニューヨークでベラルーシのマクシム・リジェンコフ外相と会談した。シコルスキ氏はこれを両国関係の「突破口」と位置づけ、国境情勢や地域安保を議題としたと明らかにした。ロシアによるベラルーシ領土経由のドローン・発射使用を抑止するよう求めたことにも言及した。
要点
- シコルスキ外相とリジェンコ外相の会談は、国連総会に合わせたニューヨークでの実施
- シコルスキ氏は2016年以来およそ10年ぶりの同レベル会合と説明
- シコルスキ氏は会談を「突破口(прорив)」と表現
- 議題は国境情勢と地域安保。ロシアがベラルーシ領土からドローンやミサイルを発射しないよう求めたかとの問いに「そうした内容も含まれる("Серед іншого")」と答えた
- ポーランドはミンスクに新たな大使館建物の開設を予定していると明らかに
- シコルスキ氏はポーランドがアンジェイ・ポチョブト氏ら政治犯の釈放や国境フェンス整備進展を関係改善の要因として挙げた
- ルカシェンコ政権承認との見方に対しては「ポーランドは国家を承認するのであって、政府を承認するのではない」と述べた
なぜ重要か
シコルスキ氏は2016年以来と推定されるおよそ10年ぶりとなる同レベルのポーランド・ベラルーシ接触を行い、これを「突破口」と呼んだ。協議では国境情勢や地域安全保障が扱われ、ロシアによるベラルーシ領土経由の兵器発射を抑止する要請が議題に含まれたことが確認された。新たにミンスクに大使館を開く方針や、政治犯ポチョブト氏の釈放に触れたことは、ポーランドがベラルーシとの関係正常化を探り始めていることを示唆する。
何が起きたか
ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は国連総会のサイドイベントとしてニューヨークでベラルーシのマクシム・リジェンコフ外相と会談した。シコルスキ氏はこれが2016年以降ではほぼ10年ぶりとなる同レベルの会談だとし、「突破口(прорив)」と表現した。議題は国境情勢と地域安全保障で、ロシアがベラルーシ領土からドローンやミサイルを発射しないよう求めたかとの記者質問には「そうした内容も含まれる("Серед іншого")」と答えた。さらにミンスクに新たな大使館建物を開設する計画を明らかにし、ルカシェンコ政権の承認ではないとの見方を示して「ポーランドは国家を承認するのであって政府は承認しない」と述べた。シコルスキ氏は両国関係の正常化の可能性を「天候が味方すれば咲くかもしれないスノードロップ」にたとえ、また、政治犯ポチョブト氏の釈放や国境フェンスの整備進展を関係改善を可能にした要因として挙げた。
ウクライナメディアの見方
ウクライナの報道ではシコルスキ氏による会談の「突破口」評価と両国関係正常化への言及が前面に出されている。ロシア・ウクライナ戦争と連動する安全保障の論点として、ベラルーシ領土を経由するロシアのドローン・ミサイル発射を抑止するよう求めた点にも焦点が当てられた。
背景
アンジェイ・ポチョブト氏はポーランド系少数民族のベラルーシ人ジャーナリスト・活動家で、2023年に政治的な動機によるものとの批判を受ける判決で8年の禁固刑を言い渡され、2026年4月28日にベラルーシとポーランドの捕虜交換で釈放されたと報じられている。ポーランドと欧州連合はこれまでに、ルカシェンコ政権がポーランド国境への移民流入を組織的に仕組んでいたと非難してきた。ポーランドはベラルーシ国境を含むロシア・ベラルーシ方面の国境防備を近代化する計画で、ベラルーシ側では光学電子機器やドローン検知装置を備えた監視塔の設置が含まれる。在野ベラルーシの指導者スヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏は、ロシアがウクライナへのドローン攻撃に利用するベラルーシ国内の中継装置が欧州国境沿いにも設置されていると述べてきた。ウクライナのゼレンスキー大統領はNATO諸国に対する地上作戦を含む挑発の可能性について準備が進んでいると発言している。