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ゼレンシキー大統領、アントン・コヴァリスキー氏を代行検事総長に任命

ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領は9月17日付の大統領令第946/2026号で、アントン・コヴァリスキー氏を代行検事総長に任命した。コヴァリスキー氏はそれまでフメリニツィクィ州検察庁のトップを務めていた。前任のルスラン・クラフチェンコ氏は9月15日に解職され、議会も辞任を承認していた。

要点

  • ゼレンシキー大統領は9月17日、大統領令第946/2026号に署名し、アントン・コヴァリスキー氏を代行検事総長に任命した
  • 任命は戦時法下のウクライナ法に基づき、大統領令第11条第2項によって可能となった
  • コヴァリスキー氏は2025年7月1日からフメリニツィクィ州検察庁長官を務めていた
  • 前任のルスラン・クラフチェンコ氏は9月15日に大統領令で解職され、同日に最高ラーダが317票の賛成で辞任を承認した
  • クラフチェンコ氏の解職は、国家汚職対策局(NABU)と Specialized Anti-Corruption Prosecutor's Office(SAP)による検察総長室の犯罪組織捜査が背景にあった
  • クラフチェンコ氏は9月14日の夜にウクライナを出国、9月14日の朝にはNABUのセミョン・クリヴォノス長官らに嫌疑を通知したと発表していた
  • クラフチェンコ氏は2025年6月17日に検事総長に任命されたが、ゼレンシキー氏は恒久的な後任候補を議会に示さなかった

なぜ重要か

検事総長はウクライナの法執行機関の中枢であり、そのトップの交代は腐敗事件などの重要案件の捜査に影響を及ぼす。クラフチェンコ氏の解職と代行検事総長の任命は、大統領府と反腐敗機関の間の緊張関係の中で行われた。

何が起きたか

ゼレンシキー大統領は9月17日、大統領令第946/2026号に署名し、アントン・コヴァリスキー氏を代行検事総長に任命した。法令上の根拠は戦時法下のウクライナ法第11条第2項で、大統領による代行任命を認めている。コヴァリスキー氏はそれまでフメリニツィクィ州検察庁長官を務めていた経歴の持ち主で、2011年にウクライナ検察官国立アカデミー法学部を卒業、2020年9月から2021年10月までヴィーンヌィツァ州検察庁副長官、2021年11月からチェルニウツィー州検察庁長官を歴任した。前任のルスラン・クラフチェンコ氏は9月15日に大統領令で解職され、同日、最高ラーダが317票の賛成多数で辞任を承認した。クラフチェンコ氏の解職は、国家汚職対策局とSAPが検察総長室内の犯罪組織を摘発した動きと連動していた。9月14日の朝、クラフチェンコ氏はNABUのセミョン・クリヴォノス長官やSAP長官のオレクサンドル・クレメンコ氏と近い人物に対し嫌疑を通知したと発表。同日夜には検察総長室がクリヴォノス氏への嫌疑情報を否定し、関連記録が削除されたと説明した。クラフチェンコ氏は9月14日の深夜に出国し、「出張」と説明していた。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの報道は、クラフチェンコ氏の解職とNABU/SAPによる検察総長室の捜査、そしてクラフチェンコ氏による反腐職機関幹部への嫌疑通知といった一連の出来事を背景に据えている。代行検事総長は大統領府への依存度が高く、行動が制限されるとの解説が示され、ゼレンシキー氏が議会に恒久候補を示さなかった点にも関心が集まった。コヴァリスキー氏の経歴や前任地フメリニツィクィでの経歴、地元チェルニウツィー検察での活動も詳しく報じられた。

報道の食い違い

出典によって、コヴァリスキー氏の大統領令の署名日について9月17日と9月19日の木曜日の両方が報じられている。また、国家汚職対策局とSAPが検察総長室の犯罪組織摘発を発表した日付についても、9月4日と9月5日の2通りの記載がある。

背景

今回の代行任命は、ウクライナの戦時法下における大統領令第11条第2項に基づき実施された。クラフチェンコ氏は2025年6月17日に検事総長へ任命されており、今回の交代はその1年3か月後にあたる。