トランプ氏、米国は「事実上無制限」の弾薬備蓄と主張 ウクライナ支援の対価を欧州に要求
トランプ米大統領は9月3日、Truth Socialへの投稿で、米国の弾薬備蓄は「事実上無制限」だと主張し、イラン作戦中の米軍弾薬不足を報じた米メディアを批判した。バイデン前政権がウクライナへ無償で供与した弾薬はイラン作戦で米国が消費した量を上回ると主張し、ウクライナやNATOに無償で供与された「数百億ドル」について欧州が負担すべきだったとし、遅延はあるものの米国が欧州に返還を求める考えを示した。
要点
- 9月3日、トランプ米大統領がTruth Socialに投稿し、米国の中・高水準の弾薬備蓄は「事実上無制限」だと主張した
- トランプ氏は現在、米国が弾薬を自国向けに確保しており、間もなく同盟国への販売を再開すると述べた
- バイデン前政権がウクライナに無償で供与した弾薬は、イラン作戦で米国が消費した量を上回ると主張した
- ウクライナやNATOに無償で供与された「数百億ドル」は欧州が負担すべきであり、米国は「やや遅れるにせよ」その資金の返還を欧州に求めると述べた
- トランプ氏はイラン作戦中の米軍弾薬不足を報じた米メディアを「裏切り的」と批判し、長期禁固刑の可能性を示唆した
- トランプ氏によれば、欧州各国はPURLイニシアチブを通じて米国製兵器をウクライナ向けに購入しており、Kiel Instituteによれば欧州は米国を上回る支援をウクライナに既に提供している
- 米国防総省報道官はイランでの武力行使で80%を費消したとするメディア報道を否定した
なぜ重要か
トランプ氏の発言は、米国の対ウクライナ軍事支援の枠組みを改めて示したものであり、ウクライナへの将来の米国製兵器供給が引き続きPURLイニシアチブを通じた欧州側の購入に依存することを示唆する。数百億ドルの「返還」を欧州に求めるとの再表明は、支援の財政的枠組みに関する不確実性を深める。米国防総省が否定したにもかかわらず、報道や専門家による米軍弾薬・迎撃ミサイル備蓄の大幅消耗の評価と、「事実上無制限」とするトランプ氏の主張は直接矛盾しており、イラン作戦とウクライナ支援の双方が米国の兵器在庫に与える圧力に関する政治的な議論が続く見通しである。
何が起きたか
9月3日木曜日、トランプ米大統領は自身のソーシャルネットワーク「Truth Social」に投稿し、米国の弾薬備蓄の状態とこれまでのウクライナ支援について言及した。トランプ氏は、米国が中・高水準の弾薬を「事実上無制限」保有しており、イランでの戦争や他のいかなる戦争でも必要となる量を上回ると主張した。米国が弾薬をかつてない規模で生産・備蓄しており、現時点では同盟国への販売を停止しているものの、まもなく再開すると述べた。バイデン前政権がウクライナに無償で供与した弾薬は、イラン作戦で米国が消費した量を上回ると主張。ウクライナとNATOに「数百億ドル」が無償で供与され、欧州が負担すべきだったとし、米国は「やや遅れるにせよ」欧州にその資金の返還を求める考えを示した。投稿はまた、イラン作戦中の米軍弾薬不足を報じた米メディアを「裏切り的」と批判し、報じた側には長期禁固刑を科すと脅した。ピート・ヘグセス米国防長官はメディアの弾薬不足報道を否定している。
海外メディアの見方
ウクライナ向け米国製兵器はPURLイニシアチブを通じてNATO同盟国やカナダなどが購入しており、トランプ氏の今回の投稿はこの枠組みを改めて確認するものとなった。Kiel Instituteによれば、欧州は米国を上回る支援をウクライナに既に提供しているとされる。
報道の食い違い
ソース記事の大半はトランプ氏の投稿プラットフォームをTruth Socialと特定しているが、1つのソースは投稿をX(旧Twitter)上でReuters経由としたと報じている。
背景
トランプ氏は以前より、バイデン前政権がウクライナに過度な武器を無償で供与したと批判してきた。2025年3月にも同様の主張を行い、その後は欧州が米国製弾薬の費用を負担すべきだとの姿勢を示している。2025年8月にはゼレンシキー大統領がウクライナへの供与を要請した際に、米国自身がパトリオット迎撃ミサイルを必要とすると述べていた。Financial Timesによればトランプ氏はイラン戦争で米国の備蓄を維持するため、ウクライナへのパトリオット300基の供与要請を拒否した。報道によれば4月時点で米軍は1,000発以上のトマホーク巡航ミサイルを発射し、 Patriot迎撃ミサイルの備蓄の約50%を消費したと推定される。5月には米国がイラン戦争による備蓄消耗を理由に、日本向けトマホーク400基の大幅遅延を警告した。7月時点の推計では、イラン作戦の米軍コストは800億〜1,000億ドルに達する可能性があり、これは国防総省が公式に発表した数字の約3倍である。