ハンガリー、EU新規則に反しウクライナ男性への保護を継続すると発表
ハンガリーのオルツマレ首相は9月3日、軍役年齢のウクライナ男性に対し、EUの新規則にもかかわらずハンガリーへの亡命を一時保護として引き続き提供すると発表した。決定は特にザカルパッチャ(外カルパニア)州のハンガリー系住民を優先するもので、EUは新ルールの逸脱についてハンガリーから書面で通知を受けていないと述べた。
要点
- オルツマレ首相が9月3日、軍役年齢のウクライナ男性への保護継続を発表(ザカルパッチャ州のハンガリー系住民を優先)
- EUは7月末、2028年3月4日までウクライナ人の一時保護延長で合意、8月1日施行(一部資料では8月5日施行)
- 新ルールは軍務未履行で出国許可のない男性の新規一時保護申請を制限
- ハンガリーは採決で反対票を投じていた
- 欧州委員会のランマート報道官は9月4日、ハンガリーからEUへの公式通知はまだ届いていないと述べた
- 欧州委は新ルールの運用指針を準備中(公開日未定)
- ザカルパッチャ州には約10万人のハンガリー系住民が居住
なぜ重要か
ハンガリーは、軍役年齢のウクライナ男性に対する一時保護を制限するEU規則に公然と反旗を翻しており、欧州委員会との直接的な衝突が始まっている。決定はザカルパッチャ州のハンガリー系住民保護という枠組みで提示されており、少数民族の権利とウクライナ・ハンガリー二国関係の論点にもなっている。EUの内務担当委員マグヌス・ブルナー氏は軍役年齢男性の一時保護からの除外要請はウクライナ自身からだったと語り、ハンガリーの立場をウクライナ自身の徴兵執行問題と結びつけている。ハンガリーは書面で通知を行っていない、EU規則の逸脱通知手続きの遵守が問われている。
何が起きたか
9月3日、ハンガリーのオルツマレ首相は、ハンガリー政府がEUの新規則にもかかわらず、ハンガリーに逃れてきた軍役年齢のウクライナ男性に保護(アサイラムまたは一時保護)を引き続き提供すると発表した。同首相は、この決定がザカルパッチャ州に暮らすハンガリー系住民に主に関わるものであると述べた。7月末、EU加盟国は2028年3月4日までウクライナ人向け一時保護の延長に合意しており、8月1日施行(一部資料では8月5日施行)の新ルールは、ウクライナ法で軍務を果たしていないことをパスポートのスタンプなどで証明できない軍役年齢の男性の新規一時保護申請を制限する内容となっている。ハンガリーはこの措置に反対票を投じた。9月4日、欧州委員会の報道官マルクス・ランマートは、ハンガリーが規則からの逸脱を公式に書面で通知しておらず、加盟国には新ルール適用の裁量が一定程度あると述べた。
ウクライナメディアの見方
ウクライナの報道は、ハンガリーがEU規則に従わずザカルパッチャのハンガリー系住民を優先して保護を提供するという、ブダペストとブリュッセルの衝突を大きく取り上げている。欧州委員会が書面で通知を受けていないという指摘が強調され、ハンガリーのオルツマレ首相がEU決定を「不 dignity(不 dignity とも indignificant とも訳される)」と批判したことも伝えられている。
海外メディアの見方
本資料には国際的な視点からの独立した枠組みは示されていない。
報道の食い違い
資料上の論点として、ウクライナのウクルインフォルムはオルツマレ首相がEU決定を「indignificant(取るに足らない)」と表現したと報じているが、他の大半の資料は「undignified(不 dignity、不面目)」という言葉を使っている。また、オルツマレ首相が欧州理事会議長のコスタ氏と問題を提起した時期について、一部の資料は「前日の会談」や「ブダペルト訪問中」と日付を示さない一方、他の資料は9月2日の会談、9月3日の公表と具体的に記している。
背景
7月、EU加盟国は戦争逃れるウクライナ人への一時保護を2028年3月4日まで延長することで合意した。8月1日施行(一部資料では8月5日施行)の新ルールは、ウクライナ法上の軍務を果たしていることをパスポートスタンプなどで証明できる新規到着者のみを対象とするもので、施行前に既にEU加盟国で一時保護を得ていた人は対象外となる。ハンガリーは採決で反対。ザカルパッチャ州(ハンガリーと国境を接する)には約10万人のハンガリー系住民が暮らす。欧州委員会は加盟国向けの運用指針を準備中。スイスも2028年3月4日まで支援措置を延長したが内容は制限付き。チェコでは昨年、一時保護を受けたウクライナ人の男女比が初めて男性と女性のケースで男性を上回った。中旬8月には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ハンガリー事務所の話として、ハンガリーが一時保護手続きを変更しておらず、軍役年齢の男性を含む全対象者の資格が維持されていると報じられた。8月20日、ランマート報道官は新ルールが女性にも適用されると述べた。欧州委内務担当委員マグヌス・ブルナー氏は、軍役年齢の男性を一時保護から除外する要請はウクライナ自身から出されたと語っている。