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ポーランド、混雑緩和で国境交通を加速へ ロシアのドローン攻撃相次ぎ

ポーランドのドナルド・トゥスク首相は9月14日、ウクライナとの国境での交通渋滞がロシアのドローン攻撃の標的となる可能性があるとして、税関、警察、警備隊、軍が連携して通過を迅速化すると発表した。背景には13日のヴォリーニ州ヤホディン駅近郊でロシアのドローンが旅客列車の機関車を撃ったこと、さらに同国境地帯でトラックが攻撃されたことがある。トゥスク氏は数週間から数か月内にロシアのエスカレーションがポーランド領に及ぶ可能性を排除しないと警告した。

要点

  • 9月14日、トゥスク首相は政府安全保障センターでの会合後、ウクライナ国境の通過迅速化計画を発表した
  • 13日、ヴォリーニ州ヤホディン駅近郊(ポーランド国境から約2km)でロシアのドローンがキエフ発ワルシャワ行き旅客列車の機関車を撃った
  • ウクルザリズヌィツィアによると、列車の乗員は事前警告を受けており死者は出ていない
  • 別のドローンがヤホディン=ドロフスク検問所付近(ポーランド国境から約800m)でトラックを撃ち、ガソリンスタンドに火災が発生した
  • トゥスク氏は燃料タンクローリーの滞留が特に脆弱だと指摘し、CIAから最近のブリーフィングを受けたと述べた
  • ポーランド内務省副大臣チェスワフ・モロチク氏は、西ウクライナへのロシア攻撃がポーランドに「非常に重大な」脅威をもたらすと述べた
  • ウクライナのシビハ外相は今回の攻撃を「EUとNATOの扉を直接たたくプーチンのテロ」と表現した

なぜ重要か

ロシアのドローンがNATO加盟国ポーランドとの国境から数キロの地点で旅客列車やトラックを攻撃したことで、ウクライナ支援の重要な動脈が直接の軍事標的となった。トゥスク政権が国境通過を迅速化すると決めたのは、燃料トラックの長い車列が攻撃を受けやすいという認識に基づく。さらにトゥスク氏が今後の数週間から数か月でロシアがポーランド領も標的にする可能性を排除しないと警告したことで、ウクライナ戦争がNATO圏へ拡大するリスクへの懸念が高まった。ウクライナのシバガ外相が「EUとNATOの扉を直接たたくプーチンのテロ」と表現したように、欧州の指導者の間では今回の攻撃がウクライナ支援を断念させる狙いだと受け止められている。

何が起きたか

9月13日、ロシアのドローンがヴォリーニ州ヤホディン駅近郊、ポーランド国境から2キロの地点でキエフ発ワルシャワ行きの旅客列車の機関車を撃った。ウクルザリズヌィツィアによれば、列車には事前にモニタリングチームから警告があり、被害者は出ていない。また別のドローンがヤホディン=ドロフスク検問所付近、ポーランド国境から約800メートルのガソリンスタンドでトラックを撃ち、火災を引き起こした。ポーランド国境警備隊は国境での人と車の通行を一時停止し、車をシェルターへ避難させた。翌14日、ドナルド・トゥスク首相は政府安全保障センターでの会合後、ウクライナとの国境での交通を迅速化すると発表。税関、警察、警備隊、軍が連携して渋滞を防ぎ、特に燃料トラックの滞留を作らないとした。トゥスク氏はさらに、ポーランドが情報能力と防空能力を強化していること、9月10日にCIAからの「かなり正確な」報告を受けていたこと、今後ロシアのエスカレーションがポーランド領に及ぶ可能性を排除しないことを明らかにした。

ウクライナメディアの見方

ウクライナ側の報道は、トゥスク氏の国境交通迅速化の発表と、ヤホディン攻撃を未然に防いだウクルザリズヌィツィアの事前警告を前面に出す傾向がある。複数のウクライナメディアは、ウクレイン外務大臣のアンドリー・シバガ氏が攻撃を「EUとNATOの扉を直接たたくプーチンのテロ」と呼んだ発言を大きく取り上げ、トゥスク氏が9月10日にロシアがポーランド検問所を標的にする可能性を警告していたこと、CIAのブリーフィングも受けていたことに言及している。これらは、ウクライナ側が以前からNATO国境付近でのロシアのエスカレーションを懸念していたことの裏付けとして提示されている。さらに、ウクライナの一部報道は、9月20日からシェヒニ=メディカ検問所におけるバス通行がポーランド側の工事のため他の検問所へ振り替えられるという運用面での詳細も伝えている。

海外メディアの見方

英語圏の報道は、トゥスク氏の広範なロシアのエスカレーション警告やNATO領域への影響を排除しないという発言に重点を置く。ポーランドがドローン攻撃後に国境警備を強化すると表明したことに焦点を当て、交通再編計画の詳細にはあまり踏み込まない。国際報道は、トゥスク氏のCIAブリーフィングやロシアが欧州諸国内で破壊工作やハイブリッド戦争を強化する意図があるという情報により注目し、ラドスラフ・シコルスキ外相による欧州NATO空軍が米国抜きでロシアの石油精製施設を破壊可能だという主張、チェザリー・トムチク国防副大臣による「前例のない規模のハイブリッド戦争」への警告、カヤ・カラスEU外交上級代表による「西側諸国を怖がらせる狙い」という発言を大きく伝える。さらに、防衛省がバルト海でロシア軍のドローンと推定される機体を引き揚げたことにも触れている。

報道の食い違い

ウクライナのウクルザリズヌィツィアは、攻撃直前に欧州の政治家らを乗せた外交列車(ボリス・ジョンソン元英首相らが乗車)がヤホディン駅にいてドローンの脅威を受けて早発車したと説明し、別の列車にはデービッド・ペトレアス元CIA長官がいたとした上で、ドローンはこの外交列車を標的にした可能性があると示唆している。一方、ポーランド国境警備隊の報道官ダリュシュ・シェネツキ氏は、ドローンはヤホディン=ドロフスク検問所付近でトラックを撃ったと述べている。またシュピーゲル誌は、ジョンソン元首相らを乗せて避難した列車はウクライナ側報道とは別の列車だったと伝えている。外交列車の正確な位置取りや、どの列車が標的だったかについて、各報道の間に不一致がある。

背景

ヤホディン=ドロフスクはウクライナとポーランドを結ぶ主要な貨物ルートで、燃料タンクローリーの長い滞留が起きやすい場所としてポーランド当局者から繰り返し脆弱点と指摘されてきた。ポーランドは「サチタ・フシュド」(Eastern Shield)と呼ばれる国境要塞化・工兵作戦を継続しており、ドロフスク、メディカ、コルチョヴァなどの検問所で観測・監視ポストの設置やHESCO Bastion要塞コンテナの導入を進めている。9月10日、トゥスク氏はポーランド検問所がロシアの標的になる可能性があると公に警告し、CIAから今後数か月の見通しについてブリーフィングを受けていたと述べていた。