公開: · 更新:

エストニア外相、ロシアは「すでに欧州全体の脅威」と表明 ヤホディン駅で列車攻撃

エストニアのマルグス・ツァフクナ外相は2026年9月13日にキーウでウクライナのアンドリー・シビハ外相と会談した。同日、ロシア軍はポーランド国境から約2キロのヤホディン駅で旅客列車の機関車を攻撃した。ツァフクナ氏は3日間のウクライナ滞在中、昼夜を分かたず防空警報が鳴り続けたと述べ、ロシアはすでに欧州全体の脅威になっていると公に表明した。

要点

  • 9月13日、シビハ外相はキーウでツァフクナ外相と会談した
  • 会談では防空強化、防衛協力、凍結されたロシア資産の活用、対ロシア軍事産業への制裁、ウクライナのEU加盟支援、NB8議長国としての協調、エネルギー強靱化、2027年のタリン復興会議準備が議題となった
  • ツァフクナ外相は3日間のウクライナ滞在中、昼夜とも防空警報が鳴り続けたと述べた
  • ツァフクナ外相はロシアは破壊工作やサイバー攻撃、爆発物設置を試みているとし、すでに欧州全体の脅威だとX(旧Twitter)で表明した
  • ツァフクナ外相はウクライナの防衛支援は慈善ではなく欧州安全保障への投資だと訴えた
  • 9月13日、ロシア軍はポーランド国境から約2キロのヤホディン駅で旅客列車の機関車をドローン攻撃した
  • 攻撃直前、欧州の数カ国の安保顧問や欧州の元指導者らを乗せた外交列車がヤホディン駅にいたと報じられたが、ウクライナ鉄道は同列車は攻撃の1時間半前にポーランドへ既に入国していたと説明し、実際に駅にいたのは別の列車だったとしている

何が起きたか

2026年9月13日、ウクライナの首都キーウでアンドリー・シビハ外相とエストニアのマルグス・ツァフクナ外相の会談が行われた。会談では、ウクライナの防空強化、防衛産業協力を含む両国関係の拡大、凍結されたロシア資産の活用、ロシアの軍事産業および戦争資金への制裁強化、ウクライナのEU加盟支援、エストニアが議長を務めるNB8(北欧・バルト8カ国)枠組みでの協力、エネルギー強靱化の取り組み、2027年にタリンで開催されるウクライナ復興会議の準備といった議題が話し合われた。同日、ロシア軍はポーランド国境からおよそ2キロのヤホディン駅でキエフ発ワルシャワ行きの旅客列車の機関車をドローンで攻撃した。攻撃の直前にはEU諸国の安保顧問や欧州の元指導者らを乗せた外交列車が同駅を通過したと報じられた。ツァフクナ外相は3日間の滞在中、昼夜を分かたず防空警報が鳴り続けたと述べ、ロシアがヤホディン近郊を攻撃したことでEUとNATOの玄関口にテロがもたらされたと発言。X(旧Twitter)への投稿でロシアはすでに欧州全体の脅威であり、ウクライナの防衛支援は欧州安全保障への投資だと訴えた。

ウクライナメディアの見方

ウクライナ側報道は、シビハ氏とツァフクナ氏のキーウ会談を大きく取り上げた。会談の議題として防空強化、防衛産業協力、凍結ロシア資産の活用、軍事産業への制裁、ウクライナのEU加盟支援、NB8での協調、エネルギー強靱化、2027年タリンでの復興会議準備を挙げ、エストニアを積極的で信頼できるパートナーとして描いている。ツァフクナ氏の「ロシアはすでに欧州全体の脅威」という声明はトップニュースとして大きく扱われ、ヤホディンでの列車攻撃はポーランド国境への近接性や欧州外交関係者の(真偽が争われている)同乗という事実と結びつけて報じられた。

報道の食い違い

ヤホディン駅で攻撃時にどの列車とどの乗客がいたかについて報道に食い違いがある。一部の報道は、EU諸国の安保顧問や欧州の元指導者、 Boris Johnson元英国首相を含む外交列車が攻撃直前に駅にいたとしていた。ドイツ誌デア・シュピーゲルはFriedrich Merz独首相の顧問Günter Sautterが列車にいたと報じた。一方、ウクライナ鉄道(Ukrzaliznytsia)は欧州関係者の乗った列車は攻撃の1時間半前にポーランドへ既に入国しており、攻撃時には元CIA長官David Petraeus氏を乗せた別の列車がヤホディン駅にいたと説明している。

背景

エストニアは現在、北欧・バルト諸国の枠組みであるNB8の議長国を務めている。9月に入って、エストニアがウクライナ向け砲弾代金として約7,000万ユーロを前払いしたものの契約の品質基準を満たさず納入されなかったと報じられており、Hanno Pevkur国防大臣が自ら契約書を熟読しなかったとしながらも政治責任を取るとして辞任した経緯がある。ロシアは近年、欧州各地で破壊工作、サイバー攻撃、物流網への爆発物設置の試み、偽情報などを通じてハイブリッド戦を展開しているとされ、欧州各国の警戒が高まっている。