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米国下院、新たな対ロシア制裁法案の採決を事実上先送り——11月3日の中間選挙前に進む見込みなし

ロシアへの圧力を強める100%関税を柱とする制裁法案が米下院で停滞している。エネルギー価格や大統領の関税権限の肥大化をめぐる与野党の懸念が障害となっており、ジョンソン下院議長は11月3日の中間選挙前に採決される可能性は低いと述べた。法案は上院を86対11で通過したが、下院での成立見通しは立っていない。

要点

  • 上院は2025年8月7日に法案を賛成86、反対11で可決した
  • 法案はロシア産原油・ガスの最大5つの輸入国および制裁回避を支援する5か国に対する100%関税を認める内容
  • 対象国には中国、インド、トルコが含まれる
  • ジョンソン下院議長は次の2か月で議会のワシントンでの稼働日数が限られているとして、11月3日の選挙前の採決は困難との見方を示した
  • 民主党議員の一部はトランプ大統領に新たな広範な関税権限を与えると反対しており、共和党議員の中にも慎重論がある
  • 在米ウクライナ当局者は法案成立を目指して下院議員との協議を重ねた

なぜ重要か

同法案が成立すれば、ロシア産エネルギーの主要購入国への100%関税を通じてロシアへの経済的圧力が一段と強まり、ウクライナ支援の意思表示ともなり得る。しかし下院での採決が遅れれば、ロシアへの追加圧力とウクライナの支援強化が先送りされる可能性が高い。与野党双方の反対理由——エネルギー価格への影響、大統領への広範な関税権限付与、アメリカ企業や同盟国への副作用——が超党派での前進を阻んでいる。

何が起きたか

ジョンソン米下院議長は木曜日、ロシアに対する新たな包括的制裁法案が11月3日の中間選挙前に採決にかけられる可能性は低いと表明した。下院は次の2か月間にワシントンで稼働する日数が限られているという。法案は上院を86対11で通過したが、下院では大統領に100%関税を課す権限を与える条項に民主党が反対している。議員の一部は共和党内部からも慎重論を示している。下院外交委員長ブライアン・マスト氏は、ガソリン価格への影響も検証中とした。在米ウクライナ当局者は法案成立を目指し議員との協議を重ねた。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの報道では、同法案をロシアへの圧力を強めウクライナ支援を具体化する手段として捉える傾向が強い。上院通過はロシア圧迫の強化と位置づけられ、ウクライナ当局者は法案の早期成立を求めて米国議会への働きかけを強めている。

報道の食い違い

上院段階の議事進行について、提供された情報源の間に食い違いがある。上院は法案を86対11で可決したとする報道、86対12で手続き投票を進めたとする報道、最終可決前に賛成81で進んだが上院院内総務ジョン・チューン氏がホワイトハウスの要請を受けて阻止したとする報道が混在している。

背景

上院はリンジー・グレアム上院議員の2025年7月の死去後に法案を86対11で可決した。下院で迅速審議の手続を取った場合は3分の2の賛成が必要となるが、共和党は下院で過半数をかろうじて保っている程度である。中国、インド、トルコはロシア産エネルギーの主要購入国と位置づけられている。ウクライナ当局者は法案の成立を求めて米国で働きかけを行った。