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ウクライナが天然ガス輸出を部分的に再開、モルドバは輸入を検討

ウクライナ政府は10月7日の閣議で、国内産天然ガスの輸出を部分的に解禁することを決議した。これを受け、モルドバのヴァシレ・トファン首相はキーウ訪問中にウクライナ産ガスの購入について協議する考えを表明した。

要点

  • ウクライナ内閣は10月7日の閣議で国内産天然ガスの輸出を部分的に解禁した
  • トファン・モルドバ首相は購入対象を約500万立方メートルとし、キーウ訪問中に協議する意向を示した
  • トファン氏はウクライナ産ガスの方が輸送コストの面で安価になるとの見方を示した
  • ガス生産企業は前月生産量の最大15%を毎月輸出できる
  • 輸出期間は毎年3月1日から11月30日までで、12月1日から2月28日は禁止
  • 地下貯蔵施設のガス備蓄は約158億立方メートルで、暖房シーズンの需要見通しは充足
  • 家庭・熱生産者向けの補助金価格は3月31日まで維持される

なぜ重要か

ウクライナが2022年の全面侵攻以来初めてガス輸出を部分的に再開したことで、ガス輸送国だけでなく潜在的供給国として自らを位置づける姿勢が示された。ロシア産ガスへの依存が長かった隣国モルドバが公にウクライナ産ガスを代替案として検討しており、地域エネルギー構造の転換点となり得る。家庭・熱生産者向け補助金価格の維持という国内的保護措置と同時進行で進められている点が、エネルギー安全保障と国民負担の両立を意図している。

何が起きたか

ウクライナ内閣は10月7日の閣議で、国内産天然ガスの輸出を部分的に解禁する決議を採択した。生産企業は前月の生産量の最大15%を毎月輸出できる仕組みで、輸出期間は3月1日から11月30日まで。エネルギ一大臣府が毎月12日までに前月の送出実績に基づき企業ごとの輸出可能量を決定する。地下貯蔵施設の備蓄は約158億立方メートルに達し、最低基準を26億立方メートル、目標値を12億立方メートル上回る。これを受け、モルドバのトファン首相は、500万立方メートル規模のウクライナ産ガス購入をキーウ訪問中に協議する意向を表明。ロシア産ガスは選択肢にならないと改めて述べた。家庭・熱生産者向け補助金価格は暖房シーズン終了まで維持される。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの報道は、商業セグメントにおける明確な余剰ガス発生を輸出再開の根拠として強調している。生産量に対する15%の割当制度、エネルギ一大臣による月次承認、家庭・熱生産者の補助金価格維持が、エネルギー安全保障と国内安定を両立させる仕組みとして提示されている。シュミハリ副首相による「冬を越すのに十分な備蓄がある」という発言が併記され、輸出再開とエネルギー安全保障の整合性を印象づけている。さらに、輸出収益は生産設備の保護と国防強化に充てられる。

背景

ウクライナは2022年のロシアによる全面侵攻開始以来、国内産天然ガスの輸出を禁止していた。モルドバは歴史的にウクライナを経由するロシア産ガスに依存してきたが、ウクライナがロシアガスの通過を認めていないため、この供給経路は既に失われている。モルドバは現在、ビバ市場でガスを購入しており、首相は中期・長期契約とスポット購入の組み合わせを最もレジリエントな調達モデルと位置づけている。