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米国とロシア当局者がノルドストリーム復活で協議か—ホワイトハウス関与は否定

ロイター通信の報道によると、米露当局者は米国投資家を招き入れて損傷を受けたノルドストリーム・ガスパイプラインを復活させる交渉を行っている。 Jared Kushner米大統領特使とウラジーミル・プーチン露大統領に近い Kirill Dmitriev氏が参加し、最近モスクワとニューヨークで会談した。一方、ホワイトハウスは個別のノルドストリーム協議を否定。パイプラインは米欧の制裁下にあり、ドイツは再開への反発を表明している。

要点

  • Jared Kushner米大統領特使とKremlin側近のKirill Dmitriev氏がモスクワとニューヨークで会談
  • 再開構想は米投資家がウクライナ戦争終結後の欧州向けエネルギー供給から利益を得るというもの
  • ホワイトハウス報道官は個別のノルドストリーム協議を否定しつつも、対露合意はDFCと財務省の調整と米国益への貢献が必要と説明
  • ノルドストリームは米欧の制裁下にあり、現状では供給再開が違法
  • トランプ大統領は米制裁を解除・緩和できるが、来月の中間選挙で民主党が議会を掌握すれば困難に
  • ドイツ連邦政府の報道官は代替供給を確保済みで、再開には連邦政府の承認が必要だが、その意思はないと述べた
  • Dmitriev氏とドイツのAfD指導部は来年、欧州最大経済圏へのロシアガス供給再開について会談準備を進めている

なぜ重要か

実現すれば、ロシアによる2022年ウクライナ侵攻後に欧州が推し進めてきたエネルギー脱ロシア政策の重要な柱が覆ることになる。9月の破壊工作で損傷したパイプラインは現在米欧の制裁下にあり供給再開は違法で、ドイツや欧州諸国は強く反対している。仮にトランプ氏が米制裁を解除したとしても欧州側の壁は残るとみられ、協議は米露融和とウクライナ戦争終結交渉の一部と連動している。関連する別の枠組みでは、米制裁の緩和をルークオイルの欧州資産買収と結びつける構想も浮上しており、米中間選挙で民主党が議会を掌握すれば米側の制裁解除は一段と難しくなる。

何が起きたか

ロイターが5人の関係筋の情報として報じたところによると、米露当局者は破壊工作で損傷したノルドストリーム・パイプラインを再生し、米国投資家を関与させる交渉を行っている。交渉にはトランプ大統領の義兄弟で特使のJared Kushner氏と、プーチン露大統領に近いKirill Dmitriev氏が参加し、最近モスクワとニューヨークで会談した。報道によれば、構想は米投資家がウラジミル・プーチン政権と直接交渉し、ウクライナ戦争終結後に欧州向けにエネルギー供給を行うことで利益を得る仕組み。ホワイトハウス報道官は個別のノルドストリーム協議を否定しつつも、対露合意は米国国際開発金融公社(DFC)と財務省が関与し、米納税者と企業に利益をもたらすものでなければならないとの立場を示した。Nord Stream AGの株式は Gazpromが51%、独企業2社で31%、残り18%が仏蘭の株主が保有。報道によれば独側株主は Gazpromが売却を決めた場合でも持ち分を保持したい考え。ドイツ連邦経済・エネルギー省は「ノルドストリームとロシア産ガスは欧州の制裁下にあり、ベルリンはすでに代替供給を確保した。再開には連邦政府の承認が必要だが、その意思はない」と表明している。

ウクライナメディアの見方

ウクライナ語報道は、この動きをロシアに対する西側エネルギー政策の転換点と位置づけ、欧州側の反対姿勢を前面に出している。また、Kremlin側近の Dmitriev氏が戦略的エネルギーインフラについて米代表と交渉していることの政治的な重みを強調し、ウクライナ戦争終結交渉と並行する米露融和の流れの一部として描いている。さらに、関連する動きとして、欧州域内のルークオイル資産を米 DFCとカタール・UAEの投資家が consortiumで買収する計画との連動に触れ、ロシア資産への制裁緩和議論の一環としてこの問題を提示している。

報道の食い違い

ホワイトハウスは Nord Streamに絞った近時の協議を公式に否定しているが、Reuters の複数情報筋は Kushner氏と Dmitriev氏のモスクワ・ニューヨーク会談の議題に Nord Stream が残っていると伝えており、両者の認識には食い違いがある。また、各会合で Nord Stream がどの程度具体的に話し合われたかについては報じ方が分かれており、「実質的な交渉が続いている」とする論調と、「各会合で具体的に議題に上ったかは不明」とする慎重な論調が併存している。

背景

2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻前、ドイツは Nord Stream 2本を通じて消費ガスの半数超をロシアから輸入していた。モスクワが欧州向けのガス供給を絞ったためパイプラインは休止状態となり、同年9月には水下爆発による破壊工作で損傷を受けた。Nord Stream AG の株式は Gazpromが51%、独企業2社合わせて31%、残りは仏蘭企業が保有している。 Dmitriev氏は先月、米エネルギー省と財務省の関係者と米露エネルギー・イニシアチブについて協議し、9月24日には Steve Witkoff特使と Kushner氏とニューヨークで会談している。