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ゼレンスキー氏、メルツ独首相との共同会見で対ドローン戦力を発表——F-16の20mm弾、改良型「Bars」、新型小型ミサイル「Nika」

キーウを訪問中のメルツ独首相との共同会見で、ゼレンスキー大統領は10月4日、ロシアが「シャヘード」型ドローンの通常型からジェット推進のリアクティブ(反応型)型へ戦術を移していると述べた。ウクライナは従来型「シャーヘード」を約85〜92%、リアクティブ型を約50〜60%の確率で撃墜。対策としてF-16の20mm弾1日5,000〜6,000発運用、キーウに自動50口径タレット12基以上設置、ドイツと共同開発の「Bars」迎撃ドローンや国産小型ミサイル「Nika」、「Spys」の試験成功を発表した。

要点

  • 従来型「シャヘード」の撃墜率は85〜92%、リアクティブ型は50〜60%(大統領発表)
  • F-16がリアクティブ型に対して最も有効で、20mm弾1日5,000〜6,000発の運用を目指す
  • キーウには大型50口径タレット12基以上、キーウ州には追加8基と既設50基
  • 国産の小型対ドローン・ミサイル「Nika」を含め複数種が試験中、10月下旬に結果
  • ドイツとの共同開発迎撃ドローン「Bars」2,000機導入、「Spys」は試験合格
  • 20mm弾供給でポーランド(D.トゥスク首相)・フランス(E.マクロン大統領)・ノルウェー・スウェーデン・フィンランドと協議中
  • 独メルツ首相のキーウ訪問中、防衛・安全保障・エネルギー等の合意総額85億ユーロ超、10億ユーロ超の支援パッケージ

なぜ重要か

ロシアは「シャヘード」の通常型大量投入から、より撃墜が難しいジェット推進のリアクティブ型と弾道兵器へと攻勢の重心を移しつつある。ウクライナの迎撃実績は従来型で85〜92%に達するが、リアクティブ型では50〜60%にとどまる。F-16の20mm弾をいかに1日数千発規模で安定確保できるか、複数国との交渉次第という現実がある中で、キーウ市内での50口径タレット12基以上配備、『Bars』『Spys』といった迎撃ドローン、さらに国産小型ミサイル『Nika』を含む複数種の開発という重層的な防空体制の構築が当面の課題となっている。同時にメルツ独首相のキーウ訪問を機に総額85億ユーロ超の防衛・安全保障合意、10億ユーロ超の支援パッケージ、ドイツとの共同生産2,000機規模の迎撃ドローンなど、ウクライナ防空を強化する具体的措置が並んだ。背景には、ロシアが対ドローン兵器と徘徊型弾薬に翌年約120億ドルを投じる計画という規模面の差がある。

何が起きたか

10月4日、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、メルツ独首相とのキーウでの共同会見およびメディア対応で、ロシアのリアクティブ型「シャヘード」への対抗策を発表した。従来型「シャヘード」の撃墜率は85〜92%である一方、リアクティブ型は50〜60%とされ、最も有効なのはF-16と20mm弾であると説明。F-16が1日5,000〜6,000発の20mm弾を使えるよう、ポーランド(D・トゥスク首相)、フランス(E・マクロン大統領)、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドとの交渉を進めていると述べた。自動50口径タレットはキーウに12基以上設置済みで、キーウ州に8基を追加計画。迎撃ドローンのうち『Bars』は独ウクライナ共同生産で2,000機導入予定、『Spys』は試験合格と報告された。国産小型ミサイル(『Nika』を含む複数種)は10月下旬に試験結果を得て、成功なら量産へ移行可能とした。同日夜間(10月3日夜〜4日未明)のロシアの攻撃は「シャヘード」型135機、うちリアクティブ型52機と空軍は発表。ゼレンスキー氏は9月のリアクティブ型「シャヘード」が2,730機以上、そのうち1,500機超が撃墜・妨害されたと述べた。

ウクライナメディアの見方

全26の供給源はウクライナ・メディアまたはウクライナ通信社のいずれかであり、いずれもウクライナ国内かつウクライナ語による報道で、論調は完全に国内発信である。焦点は大統領自身の発表と、ウクライナ製または開発中の装備(『Bars』『Spys』迎撃ドローン、改良型を含む国産小型ミサイル、ロシア製『カラシニコフ』系自動火器を搭載した自動タレットなど)にある。メルツ独首相のキーウ訪問は重要な安全保障イベントとして位置づけられ、85億ユーロ超の合意、10億ユーロ超の支援パッケージ、FFG(Flensburger Fahrzeugbau Gesellschaft)との約20億ユーロ契約、ウクライナ・ドイツ共同生産の迎撃ドローンが強調された。統計値はゼレンスキー氏自身とウクライナ空軍発表に依拠しており、ウクライナの迎撃能力とリアクティブ型に対する残存するギャップ、およびF-16の貢献を軸に語られる。論調は概して前向きで、10月末の試験結果、生産スケール拡大、その後の展開へと焦点が向いている。

海外メディアの見方

国際的な論調は本資料には含まれず、ウクライナ側発信のみである。

報道の食い違い

リアクティブ型「シャヘード」の撃墜率については、『ラジオ・スヴォボーダ』『ZN.UA』など複数のウクライナメディアが50〜60%とする一方、別の出典は50〜70%、さらにゼレンスキー氏の以前の発言では約57%とされており数値に幅がある。迎撃ドローン『Spys』の出自については、ZN.UAやNV、ウクライナンスカ・プラウダ、EUロプシツィク・プラウダの多くはウクライナ・ドイツ共同開発とするが、別の1記事はウクライナ単独開発と記述している。F-16用20mm弾の協議相手については、ポーランドとフランスは各報道で一致して言及されるが、ノルウェー・スウェーデン・フィンランドなど他のパートナーは組み合わせが記事ごとに異なる。キーウ近郊のタレット設置数についても、キーウ州への追加8基とする報道と、キーウ州全体で既設50基とする報道が並立する。

背景

10月3日夜〜4日未明、ロシアは「シャヘード」型攻撃ドローン135機(うちリアクティブ型52機)を発射。9月にはリアクティブ型「シャヘード」が2,730機以上撃ち込まれ、1,500機超が撃墜・妨害された。以前のゼレンスキー発言ではリアクティブ型撃墜率約57%、大規模攻撃時で約70%と示されていた。迎撃ドローンは有望な4機種が前線で実戦試験中、さらに約10社のメーカーが自社設計を試験中。ゼレンスキー氏によれば、リアクティブ型対策には67社のウクライナ企業が関与している。8月には国防軍が『カラシニコフ』系自動火器搭載の自動タレットの実戦試験を開始。メルツ独首相のキーウ訪問時には、防衛・安全保障・エネルギー・救助技術の文書が締結され、ドイツ製『パトリオット』ミサイルの生産拡大や年内にベルギーからF-16を3機移管する計画も協議された。