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ウクライナ軍「ヴィヴァルディ作戦」の2段階終了を発表、ドネツィク州北部で125平方キロ奪還

ウクライナ第3軍軍団は、ドネツィク州北部リマン近郊で2025年5月から秘密裏に続けてきた攻勢「ヴィヴァルディ作戦」の2段階を完了したと発表した。15日、3軍軍団長のアンドリー・ビレッキー氏が初めて作戦の存在を公に確認。20日、シャンリゴロヴェ、デルイロヴェ、ドロبيシシェヴェの解放と計40平方キロの奪還を発表した。2段階合計で125平方キロ(うち50平方キロは完全に非占領化)を奪還したとされる。

要点

  • ビレッキー氏が15日に初めて作戦を公式に確認し、20日にシャンリゴロヴェ、デルイロヴェ、ドロبيシシェヴェの解放を発表
  • 2段階で125平方キロを奪還(うち50平方キロ完全非占領化)し、第1段階でノヴォセリフカ、オレクサンドリフカ、ヤロヴァ、セレドニエらを解放
  • 作戦は5月から情報封鎖下で進行し、ロシア総参謀部やプーチン大統領も把握していなかったとされる
  • OSINTアナリストのクレマン・モラン氏が衛星画像から5月末に戦闘の痕跡を検出、ウクライナ軍はOSINTコミュニティーに地理座標の公開停止を依頼し応じられた
  • ISWはヴィヴァルディ作戦でロシアのドンバス「要塞都市帯」包囲企图が阻止されたと評価
  • 18日、ロシア軍精鋭ドローン部隊「ルビコン」がリマン・ボロヴェ方向から重度の損害により撤退
  • 24日、第3軍軍団が地雷除去・突撃支援に地上ロボット複合体(NRK)を世界初の実戦配備したと発表
  • ロシア国防省は22日、ドブロピリア包囲を主張したが証拠を示さず、ISWがこれを否定

なぜ重要か

ヴィヴァルディ作戦は、ウクライナ軍が情報封鎖と徹底した準備でロシア軍を出し抜き、ドンバス地方で攻勢を成功させた事例として位置づけられる。ISWによれば、ロシアの「要塞都市帯」包囲企图を阻止し、リマン方向でのロシア軍の「北の爪」を事実上無力化した。地上ロボット複合体の初実戦配備やドローン戦術の革新も含み、ウクライナ軍の攻勢戦における新たな節目と報じられている。

何が起きたか

第3軍軍団は2025年5月からドネツィク州北部リマン方向で「ヴィヴァルディ」作戦の秘密準備と攻勢を開始し、OSINTアナリストに地理座標の公開停止を依頼した上で情報封鎖を維持した。9月15日、軍団長のビレッキー氏が公式に作戦を公表し、第1段階でノヴォセリフカ、オレクサンドリカ、ヤロヴァ、セレドニエなど75平方キロを「掃討」、10平方キロを完全に非占領化したと発表。20日にはシャンリゴロヴェ、デルイロヴェ、ドロبيシシェヴェの解放を確認し、40平方キロが追加された。フランス人OSINTアナリスト、クレマン・モラン氏は5月末に衛星画像から戦闘痕跡を検出していた。作戦全体では125平方キロ(うち50平方キロ完全非占領化)が奪還された。18日、ロシア軍の精鋭ドローン部隊「ルビコン」が重度の損害によりリマン・ボロヴェ方向から撤退したと報告された。24日、第3軍軍団は世界初の地上ロボット複合体(NRK)の実戦配備を発表した。一方、ロシア国防省は22日、ドブロピリアを包囲したと主張したが、ISWがこれを否定した。

ウクライナメディアの見方

ウクライナ側の報道は、ビレッキー氏と第3軍軍団を中心に据え、ヴィヴァルディを周到な準備と情報封鎖でロシア軍を出し抜いた成功的攻勢として描く。DeepStateアナリストのロマン・ポホリリー氏は、ロシア軍のリマン方向での努力が「ゼロ倍になった」と分析する一方、リマン南方でのミコラーフィカへの圧力を警告している。また、ロシア国防省によるドブロピリア包囲の主張をISWが否定したことと対比させ、ロシア側の情報操作を強調する記事も多い。地上ロボット複合体の配備やドローン直掩下の「ペア突撃」戦術など、技術革新が複数の記事で焦点として扱われている。

報道の食い違い

ロシア国防省は9月22日、「中央」軍集団の部隊がドブロピリアを包囲し北西のオレクサンドリフカ方向へ進軍したと主張したが、地図や証拠を提供しなかった。これに対しISWは、ロシア側が証拠を示していないと指摘して主張を否定。DeepStateのアナリストらは逆に、ドブロピリア方向のトーレツケ周辺でウクライナ軍が領土を「掃討」したと報告している。

背景

ヴィヴァルディ作戦は2025年5月からリマン方向で進められていたが、9月15日まで公にされていなかった。第3軍軍団はボロヴァからリマンに至る正面の安定化に半年以上を費やし、指揮、人的資源、偵察、ドローン、後勤を再編した。情報封鎖措置の一環として、軍団は3月末以降OSINTアナリスト(クレマン・モラン氏、@moklasen氏ら)に地理座標の公開停止を依頼。ロシアのミルブロガー(ルイバル、アナトリー・ラジオフなど)は西側OSINTの情報を再利用しており、ロシア国防省もそれを購読しているため、ロシア司令部が前線の変化を把握しにくい状況が続いていたとされる。9月1日、ロシアは「スヴィャトヒルシクを制圧した」と公表していたが、ロシア総参謀部とプーチン大統領はヴィヴァルディ作戦に気づいていなかったと報じられている。リマン北方での攻勢失敗後、ロシア軍はリマン南方に部隊を再配置しミコラーフィカへの圧力を強めている。