ロシア、キーウ州などに大規模ドローン攻撃 スジリア倉庫など9件の民間施設被害、3人死亡
9月19日、ロシアはキーウ州、ドニプロ、クロピヴニツィキーなどをドローンで攻撃した。キーウ州では4つの地区で9件の民間施設が被害を受け、5件が倉庫だった。スジリア・グループのペ用品倉庫(8,000平方メートル超)が焼損し従業員に死者はなかった。ファスティウ地区では母親と幼い子ども2人が死亡。ヴィシホロド地区でも母親と子どもが負傷した。空襲警報はほぼ24時間継続した。
要点
- 9月19日、ロシアのドローンがドニプロ、クロピヴニツィキー、キーウ州のオブーヒブ、ボリスピリ、ヴィシホロド、ブチャ地区を攻撃した
- キーウ州では4地区で9件の民間施設が被害を受け、うち5件は倉庫だった
- キーウ州でスジリア・グループのペ用品倉庫(8,000平方メートル超)がドローン攻撃で焼損したが、死者はなかった
- ファスティウ地区ではロシア軍の攻撃で母親と幼い子ども2人(女児と男児)が死亡した
- ヴィシホロド地区では母親と子どもが負傷し病院に搬送、教育施設とバスも被害を受けた
- キーウ州の空襲警報はほぼ丸1日継続した
- ウクライナ空軍によると、ロシアは2発のジルコン対艦ミサイル、174機のシャヘド型攻撃ドローン(半数はジェット動力)などを投入した
なぜ重要か
今回の攻撃は、シャヘド型ドローン174機に加え、ジルコン対艦ミサイル2発、ゲルベラ、バンデロール/ダンT徘徊型弾薬、パローディヤ陽動ドローンを含む大規模もので、戦争の中でも特に大規模な単発攻撃の一つとされる。母親と幼い子ども2人の死亡を含む民間人の犠牲が出たほか、スジリア・グループ(マスターZooを擁する)の8,000平方メートル超の倉庫、ドニプロやクリヴィー・リフの食品倉庫など、市民生活に直結する物流インフラが直撃された。キーウ州では空襲警報がほぼ24時間鳴り続け、4地区で9件の民間施設が被害を受けるなど、市民生活と物流網への深刻な打撃が示された。
何が起きたか
9月19日の朝から夜遅くにかけて、ロシア軍はキーウ州、ドニプロペトロウシク州、キロヴォフラード州に対してドローンによる大規模攻撃を実施した。ウクライナの空軍は2発のジルコン対艦ミサイル、174機のシャヘド型攻撃ドローン(半数はジェット動力式)、ゲルベラ、バンデロール/ダンT徘徊型弾薬、パローディヤ陽動ドローンが使われたと報告している。
キーウ州ではオブーヒブ、ボリスピリ、ヴィシホロド、ブチャの4地区で計9件の民間施設が被害を受け、うち5件は倉庫だった。生産施設、ガレージ施設、車両、集合住宅も損壊した。キーウ州軍政府行政管理長官ティムール・トカチェンコ氏によると、キーウ州の空襲警報はほぼ丸1日鳴り続けた。
最大の被害の一つは、ブチャ地区にあるスジリア・グループのペ用品倉庫(面積8,000平方メートル超)で、ドローン攻撃を受けて炎上し、救助隊が消火活動を続けた。スジリア・ウクライナは従業員に死者はなかったと発表した。同社はマスターZoo(ウクライナ最大級のペット用品チェーン、約200店舗)を傘下に持つ。
ファスティウ地区では、ロシアの攻撃で母親と幼い子ども2人(女児と男児)が死亡し、民家や車両が被害を受けた。別の情報源は同地区で妊娠を含む女性の負傷も伝えている。ヴィシホロド地区では、夕方の攻撃で母親と子どもが負傷し病院に搬送されたほか、教育施設とバスも被害を受けた。オブーヒブ地区では民家1棟が損壊した。
ドニプロではドローンが倉庫を直撃し火災が発生し、ドニプロペトロウシク州軍政府行政管理長官オレクサンドル・ガンジャ氏が報告した。クリヴィー・リフでもドローンが食品倉庫を攻撃し火災が起きた。クロピヴニツィキーでは、ドローンは防空部隊に撃墜されたが、落下した破片で民家数棟が被害を受けた。人的被害はなかった。
キーウ州軍政府は翌20日、過去24時間の攻撃でキーウ州5地区の31件の施設が被害を受け、ファスティウ地区だけで民家や農業施設、車両17台を含む24件が被害を受けたと報告した。前日夜のヴィシホロド地区の攻撃で負傷した子どものうち1人が病院で死亡し、キーウ州の死者数は4人(うち子ども3人)に拡大した。
報道の食い違い
情報源によってスジリア倉庫への攻撃の性質について表現が異なる。複数の報道機関(Forbes Ukraine、ZN.UA、ウクルインフォルムなど)はこの攻撃を「ドローン攻撃」と表現しているが、スジリア社自身の声明では「ロケットとドローンの複合攻撃」と説明されている。 また、マスターZooの店舗数について、ほとんどの情報源は36都市で約200店舗とするが、ZN.UAは38都市と伝えている。 ファスティウ地区の被害像は、9月19日中に時間の経過とともに拡大した。早い時点の報道では同地区で女性1人の負傷のみが伝えられていたが、その後に母親と幼い子ども2人の死亡、同じ夜に別の民家の火災も報告された。
背景
ウクライナの空軍は、ロシアの夜間攻撃で投入された兵器(シャヘド・ドローンや各種陽動・徘徊型弾薬)について定期的に発表している。キーウ州軍政府行政管理長官のティムール(ティムール)・トカチェンコ氏は、州内の被害報告の主要な公的情報源となっている。 今回の攻撃に先立つ数週間で、ロシアの攻撃はすでにNOVUS、Rozetka、Silpo、Nova Poshtaなど主要ウクライナイ企業の物流センターや倉庫を直撃しており、過去1年間で50万平方メートル以上の物流不動産が被害を受けていた。 スジリア・グループはマスターZooの親会社で、同社はウクライナ最大級のペット用品小売チェーンの一つとされ、約200店舗を約36都市で展開している。