公開: · 更新:

ロシア軍、ドニプロペトロフスク州3都市を同時攻撃 工業施設に被害、2人死亡

9月22日の未明、ロシア軍はドニプロペトロフスク州のドニプロ、クリヴィー・リフ、パウロフラドにある工業施設を同時に攻撃した。現地では出火が発生。ドニプロでは2人が死亡、6人が負傷し、がれきの下にまだ人が取り残されている可能性があると当局は発表した。夜間の大規模な攻撃はキエフやチェルニヒウ州など他の地域にも及び、各地で被害が出ている。

要点

  • 9月22日未明、ロシア軍がドニプロペトロフスク州を弾道ミサイルで攻撃し、ドニプロ、クリヴィー・リフ、パウロフラドの3都市で同時に工業施設が被弾した
  • 被弾現場では火災が発生した
  • ドニプロでの被害:2人死亡、6人負傷(うち2人入院、25歳の男性が重症)
  • ドニプロペトロフスク州軍政庁長官オレクサンドル・ハンジャ氏らが情報公開を担い、負傷者数は当初3人→2人死亡・4人負傷→2人死亡・6人負傷と段階的に更新された
  • 監視チャンネルとウクライナ空軍の暫定データでは、ドニプロとクリヴィー・リフに各4発、パウロフラドに少なくとも3発の弾道ミサイルが着弾
  • 攻撃には弾道ミサイルのほか、巡航ミサイルやドローンも使用されたとされ、監視チャンネルは「ツィルコン」「カリブル」「キンシャル-M」の北朝鮮版などの使用を報じている
  • 夜間の攻撃はキエフ(5階建て住宅がドローン残骸で被災)やチェルニヒウ州の一部停電、クレメンチュクなどにも及んだ

なぜ重要か

ウクライナ経済の重要拠点であるドニプロペトロフスク州の主要都市3か所が同時に攻撃されたことで、産業基盤を狙った集中的な夜間攻撃のパターンが改めて示された。死傷者数は数時間のうちに大きく変動しており、大規模攻撃における初期情報の暫定性を示している。弾道ミサイル・巡航ミサイル・ドローンに加え、ツィルコンやカリブル、キンシャル-Mの北朝鮮版といった多様な長距離兵器が使われたと報じられ、ウクライナの重要インフラと産業を標的とする意図的な攻撃が続いていることを裏付けている。さらに、攻撃はキエフやチェルニヒウ州、クレメンチュクにも及び、ウクライナ全土を巻き込む大規模な夜間攻撃であった点も重要である。

何が起きたか

9月22日の未明、ロシア軍はドニプロペトロフスク州に対し弾道ミサイルを含む複合的な攻撃を行い、州内のドニプロ、クリヴィー・リフ、パウロフラドにある工業施設を同時に被弾させた。被弾現場では火災が発生した。ウクライナ空軍は同日午前1時58分、ヴォロネジ方向からの弾道兵器使用の脅威を発表し、その直後にドニプロペトロフスク州方面へ高速目標が移動するのを記録。ドニプロペトロフスク州軍政庁長官オレクサンドル・ハンジャ氏が断続的に情報を発表し、ドニプロでの死傷者数は「3人負傷」→「2人死亡・4人負傷」→「2人死亡・6人負傷(うち2人入院、25歳の男性が重症)」と段階的に更新された。ドニプロでは破壊された工場のがれきの下にまだ人が取り残されている可能性があり、捜索救助活動が続けられた。クリヴィー・リフでは防衛会議議長のオレクサンドル・ヴィルクル氏が「最初に弾道ミサイル、その後に巡航ミサイル」と証言。監視チャンネルと空軍の暫定データでは、ドニプロとクリヴィー・リフに各4発、パウロフラドに少なくとも3発の弾道ミサイルが着弾したとされ、合計で約20の攻撃手段が使われたと見積もられた。攻撃はドニプロペトロフスク州にとどまらず、キエフではドローン残骸が5階建て住宅に落下して15人が救助され4人が負傷(うち3人入院)、チェルニヒウ州の一部が停電、ポルタヴァ州クレメンチュク地区でも工業施設などが攻撃された。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの報道は、ウクライナの産業施設と市民が受けた被害、ロシア軍を攻撃主体として一貫して伝えることに重点を置いている。情報源は州軍政庁とクリヴィー・リフ防衛会議の公式発表に依拠し、死傷者数は状況が明らかになるにつれ更新されている。複数の報道は、弾道ミサイル、ドローン、ツィルコン、カリブル、キンシャル-Mの北朝鮮版といった多様な兵器が使われたと指摘し、攻撃を「ドニプロペトロフスク州の経済基盤の組織的な破壊」と位置付ける声も含まれている。広範な夜間攻撃の文脈として、キエフの住宅被害、チェルニヒウ州の停電、ポルタヴァ州クレメンチュク地区の被害も報じられた。

報道の食い違い

被害を受けたドニプロでの死傷者数については、報告が段階的に更新された。最初の発表では負傷者3人、続く更新で「2人死亡・4人負傷」、その後の発表で「2人死亡・6人負傷(うち25歳の男性が重症)」とされた。使用された兵器についても出典によって差があり、弾道ミサイルのみとする報道がある一方、UAV、ツィルコン、巡航ミサイル、カリブル(海上発射)、キンシャル-Mの北朝鮮版、徘徊弾薬が併用されたとする監視チャンネルの報告もある。

背景

情報の発表はドニプロペトロフスク州軍政庁長官オレクサンドル・ハンジャ氏と、クリヴィー・リフ防衛会議議長オレクサンドル・ヴィルクル氏が中心となって行った。ウクライナ空軍は9月22日午前1時58分にヴォロネジ方向からの弾道兵器使用の脅威を発表し、以降、タガンログ方面、クルスク方面からも警告が発出された。ドニプロペトロフスク州は戦争を通じてドニプロ、クリヴィー・リフ、パウロフラドの工業施設を繰り返し攻撃対象とされてきた。今回の攻撃の前日にも、ロシア軍はドニプロペトロフスク州の4地区を日中に約50回攻撃し1人が死亡。9月22日中は、クリヴィー・リフが「バンデローリ」徘徊弾薬と「シャヘド」ドローンで再び攻撃を受けている。