ウクライナ軍第3軍団、リマン北東で「ヴィヴァルディ」作戦を公式に確認――ドネツク州北部で前線を押し返す
ウクライナ軍第3軍団のアンドリー・ビレッキー司令官が9月15日、ドネツク州北部のリマンから東および北東にかけて実施された「ヴィヴァルディ」と命名された攻勢作戦の第1段階の詳細を公式に明らかにした。作戦の全容はこれまで完全な情報封鎖下に置かれており、今回のビレッキー司令官の映像声明が初めて公式の開示となった。
要点
- ウクライナ軍第3軍団が「ヴィヴァルディ」と名付けた攻勢作戦を公式に確認した
- 作戦の舞台はドネツク州北部、リマンの東および北東方向
- アンドリー・ビレッキー第3軍団司令官が9月15日に映像声明で第1段階の詳細を公表した
- 第1段階の目的はロシア軍の浸透部隊の排除と兵站線の妨害
- シリドネ、新セリヴカ、オレクサンドリウカ、ヤロヴァ、コロヴィイ・ヤル近郊で浸透拠点を制圧した
- 第3軍団の発表では、ロシア軍側に第1段階で兵士約1500人、ドローン1万2000機以上、装甲車両・ artillery(野戦砲)など数百輌の損失が生じたとされる
- ビレッキー司令官は作戦が4つの「季節(season)」に分かれ、第1段階のみが完了したと述べた
なぜ重要か
ロシアの突出部がソルビャンスク=クラマトルシク都市圏を東および北東から脅かしてきただけに、この作戦の成否はドンバス防衛の帰趣を左右する。欧米のOSINT(公開情報分析)専門家が「2026年の最重要勝利の一つ」と評価した規模の進展であり、ウクライナ側が公式に認めた初の詳細開示という点でも意味が大きい。
何が起きたか
ウクライナ軍第3軍団はドネツク州北部、リマンの東および北東を舞台とする攻勢作戦「ヴィヴァルディ」を実施してきたことを9月15日に公式に認めた。発表はアンドリー・ビレッキー司令官の映像声明の形で行われ、作戦の全容がこれまで完全な情報封鎖のもとにあったことも明かされた。同司令官によると、第1段階はロシア軍浸透部隊の排除と兵站の妨害が目的で、シリドネの解放を軸に、新セリヴカ、オレクサンドリウカ、ヤロヴァ、コロヴィイ・ヤル近郊の浸透拠点も制圧された。第3軍団は第1段階でロシア軍が兵士約1500人、ドローン1万2000機以上、装甲車両や artillery を含む数百輌の装備を失ったと主張し、ロシア陸軍第20総合軍と第25総合軍の戦闘能力に重大な打撃を与えたと述べた。ビレッキー司令官は、作戦が「四季」にたとえられる4段階構成であり、今回完了したのはその第1段階にすぎないと述べた上で、引き続き情報封鎖の徹底を呼びかけた。
ウクライナメディアの見方
ウクライナ側の報道は、開示の元をビレッキー司令官に置き、ウクライナ軍が取得した戦果と推定されるロシア側人的・物的損失を前面に出す。同時に、ウクライナ軍参謀本部が事前に一切言及しなかったこと、DeepStateの戦線マップが更新されたままだったことを対比させ、長期にわたる完全な情報封鎖の後に初めて公式の開示が行われたことを強調する。
報道の食い違い
解放された面積について見解が分かれている。第3軍団は75平方キロを「cleared(掃討済み)」、さらにシリドネを含む10平方キロを「de-occupied(占領を解く)」とし、合計約85平方キロとした。一方で、フランスのOSINTアナリスト、クレマン・モランとアメリカの戦争研究所(ISW)は、リマン北のロシア側の突出部が断ち切られ、約200平方キロが解放されたとの見方を示した。
背景
公式発表の数か月前から、作戦は完全な情報封鎖下に置かれており、ウクライナ軍参謀本部はこの地域での戦闘について公に言及せず、戦線マップを公開するDeepStateも該当エリアを更新していなかった。その間にも複数の軍事アナリストが、いわゆるリマン突出部でのウクライナ軍の進撃を独自に指摘していた。フランスのOSINT専門家クレマン・モランは9月8日にX(旧ツイッター)上で関連の見解を公表していた。