ウクライナ保安庁、露FSBに情報を流した動員兵を拘束―無人機部隊への航空攻撃に関与か
2026年10月22日、ウクライナ保安庁(SBU)は、露連邦保安局(FSB)に情報を提供していたジトーミル州出身の動員兵を拘束したと発表した。容疑は国家反逆罪など2条項で、極刑は終身刑と財産没収。SBUによると、この人物はFSBの指示で自軍の無人機(UAV)部隊の位置情報を流し、ロシア軍の航空攻撃を誘導したとされ、SBUの対応により100人以上のウクライナ人ドローン操縦者が事前に避難した。
要点
- 10月22日、SBUはジトーミル州出身の動員兵が露FSBに情報を提供していたと発表した
- FSBは動員前もしくは動員直後に接触。約束とされていたのは露への「退避」と露国籍取得
- 被疑者はUAV操縦者訓練中に訓練司令部の人員データを収集した
- 部隊を離脱しキーフ州へ移動。露のミサイル・航空攻撃標的となる物流センターの所在をFSBへ送信したとされる
- SBUは自らの対応により100人以上のドローン操縦者を危険区域から事前避難させたとしている
- キーフ州の重要倉庫付近で拘束。スマートフォンからFSBへの協力証拠を押収
- ウクライナ刑法111条2項(戒厳令下における国家反逆)および259条2項(重要インフラ施設爆破脅迫の虚偽通報)で起訴。終身刑と財産没収の可能性
- 拘束された男性本人および弁護側からのコメントは公表されていない
なぜ重要か
SBUはこの事件を、ロシアの航空攻撃を未然に防いだ成功した防諜作戦として位置づけている。動員前後に露情報機関がウクライナ人をリクルートし、露への「退避」と露国籍取得と引き換えに軍内部でのスパイ活動を行わせる手口を具体的に示す事例となっている。戒厳令下で終身刑と財産没収という厳罰が科される可能性がある重大事案である。
何が起きたか
2026年10月22日、ウクライナ保安庁(SBU)の軍事防諜部門は、ジトーミル州出身の動員兵がロシア連邦保安局(FSB)にリクルートされ、ウクライナ軍に関する諜報情報を提供していたと発表した。同人は動員前にFSBから接触を受け、当初はウクライナ北部の燃料・エネルギー施設の位置を追跡する「テスト任務」を遂行。動員後、UAV操縦課程の訓練中に訓練司令部の人員データを収集したとされる。その後、部隊を無断で離脱してキーフ州へ移動し、ロシアのミサイル・航空攻撃の標的となる物流センターの所在情報をFSBに送信。SBUによれば、この情報は自軍UAV部隊への航空攻撃を誘導するために使われたという。SBUは迅速な対応により、100人以上のウクライナ人ドローン操縦者を攻撃範囲から事前避難させ、容疑者をキーフ州の重要倉庫付近で拘束した。拘束時にはFSBへの協力の証拠がスマートフォンから押収された。被疑者にはウクライナ刑法第111条2項(戒厳令下における国家反逆)および第259条2項(重要インフラ施設爆破脅迫の虚偽通報)に基づく容疑が通知されており、終身刑と財産没収が科される可能性がある。被疑者本人および弁護側からの声明は公表されていない。
背景
被疑者は、動員前からFSBにリクルートされていたとされ、当初はウクライナ北部の燃料・エネルギー施設の位置情報を追跡していた。動員されてUAV操縦課程で訓練を受けるようになると、訓練司令部の人員データを露側に提供するようになった。部隊を無断で離脱してキーフ州へ移動した後、ロシアのミサイル・航空攻撃の準備対象となる物流センターの所在を追跡。FSBとの協力の見返りとして、露への「退避」と露国籍取得を約束されていた。