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元ウクライナ軍総司令官シルスキー氏がクルスク作戦を「必然」と擁護―BBCインタビュー

ウクライナ軍前総司令官オレクサンドル・シルスキー氏がBBCウクライナ語版のインタビューに応じ、2024年のクルスク方面への攻勢作戦が「必然」であり成功した作戦だったと述べた。ロシア軍の進攻を大多数の方面で停止させたと主張したが、ポクロフスク方向では同時期ロシア軍が急速に進撃したことを認めた。

要点

  • シルスキー氏によると、クルスク方面での攻勢作戦はゼレンキー大統領の承認を受けていた
  • 作戦開始から1か月でウクライナ国防軍がロシア領1,273平方キロを掌握
  • ロシアは約7万人の兵力をクルスク方向へ再展開(空挺部隊・海兵隊・精鋭 motorized rifle 部隊を含む)
  • ポクロフスク方向には約10万人のロシア軍が集中していたとされる
  • シルスキー氏はクルスク作戦を「救い」であり、2025年の攻勢準備を可能にしたと表現
  • BBC記者の指摘では、同時期にロシア軍がポクロフスク方向に急速に進撃していた
  • 作戦投入部隊は3個不完全空挺強襲旅団と2個強襲大隊で構成

なぜ重要か

ウクライナ前最高司令官が公式にクルスク作戦の判断根拠を語った初の場の一つであり、作戦の選択、ポクロフスク方面を増援しなかった理由、そしてその戦略的得失に関する議論に直接的な一次資料を提供する。

何が起きたか

BBCウクライナ語版が13日に公開したインタビューで、元ウクライナ軍総司令官オレクサンドル・シルスキー氏は2024年夏のクルスク方面攻勢を振り返り、これを「必然」の行動と位置づけた。氏によると、ロシア側は2024年夏に13の全作戦方向で攻勢を本格化させ、一部で4.5~6倍の兵力優勢を確保していた。クルスク方向が選ばれた背景には、スメイ方向からハルキウ方向へのロシア軍の失敗した攻勢に伴う兵力移動があり、当地には当初2万6千人が展開していたとされる。

作戦には3個の不完全な空挺強襲旅団と2個の強襲大隊が投入され、1個旅団が満員で、残りの2個旅団はそれぞれ2個大隊のみで初期攻撃を行った。1か月以内にウクライナ軍は1,273平方キロを掌握。氏はロシア側が空挺・海兵・精鋭 motorized rifle 部隊を含む約7万人を慌ただしくクルスク方向へ再展開せざるを得なくなったと述べた。

シルスキー氏は、ロシアがポクロフスク方向(氏とドブロピリア方向を含む2方向で構成)に約10万人を集中させていたと説明し、クルスクに投入した部隊をポクロフスクに送っても技術的水準から状況を変えられなかったと分析した。一方でBBC記者は、同時期にロシア軍がポクロフスク方向に急速に進撃したことを指摘し、シルスキー氏はこれに対しクルスク作戦が2025年の攻勢準備と再編を可能にした「救い」であったとの認識を示した。

ウクライナメディアの見方

両メディア(ウクラインスカ・プラウダ、NV)はウクライナの軍指導部の語り口に依拠し、作戦の戦術的成功、領土獲得、ロシア攻勢の停止士気向上を前面に出すとともに、ポクロフスクを増援しなかった戦略的根拠を提示している。批評的な姿勢は確認されず、シルスキー氏の見解に沿った構成となっている。

報道の食い違い

両ウクライナ・メディアとも内容自体の食い違いはほぼないが、氏名の翻字(シイルスキー/シルスキー)が異なる点と、クルスク作戦の成果とポクロフスクでの代償のどちらを強調するかに若干の力点の違いがある。ただし兵力、領土、ポクロフスク進撃に関する事実認識に矛盾はない。

背景

インタビューは2026年10月13日に公開された。2024年夏、ロシアは給与引き上げと兵力増強を経て13の全作戦方向で攻勢を本格化させていた。クルスク方面が作戦の目標として選ばれた背景には、北オセチア国境防備が志願兵主体で薄く、部隊によっては10〜12キロの正面を単一大隊で守る状態だったことがある。