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ウクライナ国防情報総局、ロシアの「影の艦隊」20隻のデータを公開し国際社会に規制強化を呼びかけ

ウクライナ国防省情報総局(HUR)は、ロシアが石油・石油製品・LNGの輸出や制裁対象船舶への燃料補給に使用している20隻の海上船舶に関する情報を公開した。全20隻が英国またはウクライナの制裁対象で、うち1隻は米国の制裁も受けている。情報総局はこれらの船舶の所有者・運航者・経路の詳細を示し、売却規制の強化や外国造船所での整備阻止、エネルギー輸出によるロシアの収入源遮断を国際パートナーに要請した。データはポータルサイト「War&Sanctions」に掲載された。

要点

  • HURは20隻の船舶について、石油・石油製品・LNGの輸出または制裁対象船舶への燃料補給を行っていると発表した
  • 全20隻が英国またはウクライナの制裁対象で、1隻は米国制裁も重複して科されている
  • LNGタンカーPORTOVYY(IMO 9246621)は2021年から制裁対象のガスプロムが保有し、フィンランド湾を出て北極海航路経由で中国北海港へ LNG を輸送した
  • PORTOVYYは現在、中国舟山島の舟山華豊造船所に停泊中
  • AVACHA(IMO 9319404)とCHAIVOの2隻は2026年春にマーシャル諸島籍のTudor Maritime Ltdが取得
  • 両ガス船AVACHAとCHAIVOはロシアのKrioline Management社が運航し、いずれも2026年8月から中国向けLNG輸送に使用されている
  • HURは船舶販売の管理強化、外国造船所での整備阻止、エネルギー輸出によるロシア歳入の遮断を国際社会に要請

なぜ重要か

公開されたデータにより、提携各国の政府や造船所が、ロシアのエネルギー輸出に対する既存の制裁を執行するための具体的な船舶・所有者・運航者のリストを得ることができる。ロシアが制裁対象の北極LNGプロジェクト産LNGを北極海航路と太平洋経由で中国へ輸送するため、2026年にロシア国旗へ再籍替えされた2隻を含む影の艦隊を再編している実態も明らかになった。最近の英国によるLNG船舶8隻への制裁パッケージと連動して、これらの船舶を寄港・整備する中国のような管轄区域への圧力をかける狙いがある。

何が起きたか

ウクライナの国防省情報総局(HUR)は、ロシアのエネルギー輸出制裁回避に関与する20隻の船舶に関するデータを公開した。全20隻が英国またはウクライナの制裁下にあり、うち1隻は米国制裁も重複している。データは「War&Sanctions」ポータルに掲載された。

HURが特に注目したのは3隻のガス運搬船だ。LNGタンカーPORTOVYY(IMO 9246621)は2021年から制裁対象のガスプロムが所有し、レニングラード州のポルトヴァヤコンプレックス内で浮体式ガス貯蔵施設として機能している。2026年8月15日、PORTOVYYは2021年11月以来初めてフィンランド湾を離れ、ロシア産LNGを積んで北極海航路経由で中国・北海港へ向け出航した。同船は現在、中国・舟山島の舟山華豊造船所で技術整備のために停泊している。

残る2隻AVACHAとCHAIVOは2026年春にロシアの影の艦隊に加わった。AVACHA(IMO 9319404)は中国Jovo Energy社から、CHAIVOはギリシャMaran Gas Maritime社から、いずれもマーシャル諸島籍のTudor Maritime Ltdに取得された。AVACHAは2026年6月からロシア国旗を掲げ、CHAIVOは2026年7月に同籍へ移行。両船とも2026年8月から中国向けLNG輸送に使用されており、AVACHAは制裁対象のアークティックLNG-2プロジェクトのウトレッニ terminalから、CHAIVOはペトロパヴロフスク・カムチャツキー近海の浮体式貯蔵施設KORYAK FSUから、それぞれ北海港へ輸送している。両船はロシア企業「クリオライン・マネジメント」(INN 6500028647)が運航している。

情報総局は船舶取引の規制強化、外国造船所での影の艦隊整備阻止、エネルギー輸出によるロシアの収入源遮断を国際社会に要請した。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの情報源4社すべて(メディア3社と通信社1社、ウクライナ語報道)はこの情報公開を、ロシアによるエネルギー輸出制裁回避の実態を暴いた情報活動上の成果として報じている。ウクライナ各社はHUR(国防省情報総局)を情報の権威として位置づけ、制裁対象船舶について既に英国とウクライナが科している制裁措置、そして船舶販売管理の強化や外国造船所での整備阻止を求める国際社会の対応強化の必要性を強調している。

報道の食い違い

ウクルインフォルムの記事A3は、ガス船CHAIVOのIMO番号としてAVACHAと同じ番号を記載しており、CHAIVOの正しいIMO番号について疑問が生じている。