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ロシア占領下のオレシキで人道危機、避難阻まれ住民6千人が食料・医薬品不足に直面

ロシアに占領されているウクライナ・ヘルソン州オレシキ市で、6千人以上の住民(うち約200人が子ども)が食料・水道・医薬品・ガスの不足に直面する人道危機が続いている。ロシア軍は退避を認めず、ドローンで届けられた物資を住民から取り上げる事例も報告されている。ウクライナのルビネツ人権オンブズマンやシビハ外相が国際機関に人道回廊の設置を求め、欧州評議会人権弁務官も停戦と住民避難を呼びかけている。

要点

  • オレシキ市はヘルソン州左岸に位置し、2022年2月の全面侵攻開始直後からロシア占領下に置かれている
  • 住民は食料・水道・医薬品・ガスの深刻な不足に直面し、ロシア軍は人道回廊の設置と住民の避難を拒否している
  • ウクライナ当局によるとオレシキ市と周辺には6千人以上(うち約180〜200人が子ども)が残されており、最前線近くの「灰色の地帯」に取り残されている
  • 国連人権監視団によれば5月26日以降オレシキへの食料供給は途絶えており、ウクライナ軍は約4トンの食料をドローンで搬入した
  • 「スリーストヴォ・インフォ」の調査により、オレシキにはロシア第126独立海防旅団と第331親衛空挺連隊が駐留しているとされ、両部隊の司令部が人道危機に関与した可能性が指摘されている
  • 9月16日にルビネツ・ウクライナ人権オンブズマンが、9月25日にシビハ外相が国連総会での提起を表明、25日に欧州評議会人権弁務官マイケル・オフラハティ氏も停戦と住民避難を要請した
  • 9月28日にベルリンでオレシキ住民支援のデモが行われ、9月30日にはブダペシュトでウクライナの市民団体「イェドニスト」主催の支援行動が予定されている

なぜ重要か

オレシキでの人道危機は、占領地域における民間人の保護とロシア軍による組織的な封鎖の証拠となる。住民の避難が拒否され、ドローンで届けられた援助物資がロシア兵に押収される状況は、占領当局の責任を直接示す。また、被害が子どものいる一般市民に及んでいることから、ウクライナの国際的ロビー活動の焦点となっている。

何が起きたか

ヘルソン州左岸のオレシキ市は2022年2月の全面侵攻直後からロシアの占領下にあり、2023年6月のカホフカ水力発電所破壊による大規模洪水で甚大な被害を受けた。現在、市は「人道的封鎖」下にあり、6千人以上の住民が食料・水道・医薬品・ガスを欠く状況に置かれている。ロシア軍の第126独立海防旅団と第331親衛空挺連隊が駐留しているとされ、両部隊の司令部が人道危機に関与した可能性が調査で指摘された。住民は食料不足からスベリヒユ(portulak)を食べてしのぎ、ロシア兵が民家に押し入って住民に食料と酒を求める事例も報告されている。ウクライナ軍は約4トンの食料をドローンで搬入したが、届けられた物資の一部がロシア兵に押収された。ウクライナのシビハ外相とルビネツ・オンブズマンは国連など国際機関に人道回廊の設置を要請し、欧州評議会人権弁務官のマイケル・オフラハティ氏も停戦と住民避難を求めた。9月28日にはベルリンで住民支援デモが行われ、9月30日にはブダペシュトで支援行動が予定されている。

ウクライナメディアの見方

ウクライナの報道はオレシキでの危機をロシア軍による民間人抑留の証拠としており、占領知事ヴォロディミル・サウドが正確な人口数の開示を拒否している点を情報隠蔽として批判している。オレシャンスク市の軍政局長タチアナ・ハサンコ氏の証言が繰り返し引用され、ロシア兵が民家に押し入り食料と酒を要求し、子どもを人質のように扱っている実態が強調されている。ルビネツ・シビハ両氏による国連への働きかけや、ベルリンとブダペシュトでの連帯行動、そしてスリーストヴォ・インフォの調査による第126旅団と第331連隊の司令部の特定は、ウクライナの制度的・外交的対応を軸に構成されている。

報道の食い違い

報道機関によって、第126独立海防旅団長の人物が異なって伝えられている。スリーストヴォ・インフォが参照したロシアのTelegramチャンネルは2025年5月時点でオレーク・アレクサンドフ大佐としている一方、独立系OSINTプロジェクト「コマンドィルイ・プロヴァル」は43歳のコンスタンチン・コチェトコフ氏としている。また、オレシキへの最後の食料供給時期について、国連人権監視団のデータを引用する複数の報道は5月26日(6月24日時点)とし、別の報道は「2026年5月末」と表現している。市内に残る子どもの数についても、ウクライナの合法当局はオレシキ市で約180人、別の報道では「約200人」、ヘルソン州軍政局のプロクジン氏は「約50人」と人数や対象範囲が異なっている。

背景

オレシキ市はヘルソン州左岸に位置し、2022年2月の全面侵攻開始直後からロシアの占領下に置かれている。2023年6月のカホフカ水力発電所破壊で大規模洪水と破壊が発生した。ヘルソン州の占領行政はヴォロディミル・サウド氏が率いているが、彼はオレシキの人口を明らかにしていない。第126独立海防旅団は2014年に旧ウクライナ第36海防旅団を母体としてクリミア占領後にロシア側に転じた軍人で編成され、現在はクリミアのペレヴァリネに拠点を置き、ロシアの「ドニエプル」部隊群の一部としてヘルソン方面で活動している。第331親衛空挺連隊はロシア第98親衛空挺師団に属し、コストロマ州に所在する。2014年には、同連隊の部隊が「緑の回廊」からのイロヴァイスク脱出を試みたウクライナ兵を銃撃した。