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ウクライナ、ロシア占領下のオレシュキから市民の退避を提案もロシアが拒否

ウクライナは、ロシアに占領されているヘルソン州オレシュキで市民を退避させるため、一時的な停戦と陸上回廊の設置をロシアに提案した。しかしロシアはこれを拒否した。ウクライナのルビネツ人権保護官は1日以内に退避を実施できると述べたが、5月末以降、食料支援は途絶え、市民の間で栄養失調による死亡が報告されている。シビハ外相は国連や赤十字国際委員会(ICRC)に人道アクセスの確保を求め、国連総会でも問題を提起すると表明した。

要点

  • ウクライナはオレシュキ周辺の戦闘を一時停止し、市民を退避させることを提案
  • ロシアは撤退経路と「沈黙体制」(停戦)の提案を拒否
  • ルビネツ人権保護官によると、ウクライナは1日で退避を完了できる用意がある
  • 夏時点で、オレシュキと隣接5集落に約6,000人の市民(うち約200人の子ども)が残留
  • 5月26日以降、オレシュキへの食料支援は届いていない(国連人権監視団)
  • シビハ外相は国連、ICRC、欧州評議会人権弁務官に対応を呼びかけ、国連総会でも問題を提起
  • オレシュキでは水の不足と砲撃の中、市民が草や雑草を食べて生活していると報じられている

なぜ重要か

ヘルソン州オレシュキの占領下地域では5月末以降食料供給が途絶え、栄養失調による死亡が報告されるなど、人道的大惨事が進行している。ウクライナは1日以内に市民を退避させる用意があるとしながらも、ロシアが停戦と退避経路を拒否したことで動きが止まっている。ウクライナは国連総会への提起や欧州評議会への働きかけなど国際社会への圧力を強めており、複数の高官が国際機関の「完全な機能不全」を公に批判している。

何が起きたか

ウクライナはヘルソン州オレシュキ周辺の戦闘を一時停止し、市民を退避させるための専用回廊の設置をロシアに提案した。ルビネツ・ウクライナ議会人権保護官によれば、ウクライナは1日以内に退避を実施できる体制を整えていたが、ロシアはルート確保と「沈黙体制」(停戦)に応じなかった。交渉にはウクライナ軍代表者も参加し、双方が「沈黙体制」の維持責任者を指名していた。

5月26日以降、オレシュキには食料供給が届いていないと国連人権監視団とオレシュク市軍事行政府は報告している。水、薬、電気、医療も不足し、市民は草や雑草を食べて暮らしていると報じられる。ジャーナリストのオレフ・バトゥリンは、最近オレシュキを離れた住民の話として、空腹による死亡例があると伝えた。地雷原と絶え間ない砲撃、ロシア当局によるドローン監視がある中、自力での脱出を試みる市民は地雷で命を落としたり、ロシア軍に殺害・拘束される危険にさらされている。

シビハ外相は9月20日、オレシュキの状況とヘルソン州の他の占領地域について国連総会で取り上げる方針を表明し、9月26日には国連、ICRC、欧州評議会人権弁務官マイケル・オフラハティに対し、即時かつ妨害なき人道アクセスを確保し、市民の安全な退避を組織するよう要請した。全ウクライナ教会・宗教評議会は、教皇レオ14世、国連、ICRCに対し、オレシュキ住民の退避支援を求めている。

ウクライナメディアの見方

ウクライナ側の報道は、オレシュキの人道的大惨事をロシアの違法な占領の直接的な結果として描いている。ルビネツ人権保護官、シビハ外相、プロクudinヘルソン州軍事行政府長官、ハサネンコオレシュキ市軍事行政府長官といったウクライナ当局者の声明が報道の中核をなし、ウクライナのDnipro川越えのドローンによる食料投下や、ウクライナが退避計画を即座に実施できると主張している点が「ウクライナ側の主体的努力」の証拠として強調される。同時に、ウクライナの報道は国際機関の機能不全を批判し、国連総会や教皇レオ14世への働きかけを含む国際社会への圧力を推し進めている。草や雑草を食べて生き延びる市民、地雷原、破壊されたミorgue、地下室に保管された遺体など、切迫感を伝える描写が退避の緊急性を裏付けるものとして報じられている。

報道の食い違い

市民の規模について、オンブズマン事務所はオレシュキと隣接5集落で計約6,000人(うち子ども約200人)と述べる一方、ヘルソン州軍事行政府のプロクudin長官はオレシュキ市内だけで約2,000人(うち子ども約50人)と推計しており、数には大きな開きがある。子ども数についても、オンブズマン約200人、プロクudin約50人、ハサネンコ少なくとも45人とされる。オレシュキ市民が犬を食べているという報道は市軍事行政府や一部メディアが伝えるが、ジャーナリストのオレフ・バトゥリンがインタビューした住民はこうした話を否定し、ネズミを食べるとの報道も確認できなかったと述べている。最後の食料到着時期については、5月末と一般化する報道と、5月26日と具体的に日付を挙げる報道(国連人権監視団や市軍事行政府を典拠とする)がある。自力脱出を試みる市民が直面する危険について、ルビネツ氏はロシア軍による殺害や地雷の危険を強調しつつ占領当局による拘束にも触れるのに対し、プロクudin氏は人道支援物資を受け取ろうとした住民の拘束・殴打など、ロシアによる支援の妨害を強く訴えている。

背景

オレシュキはヘルソン州南部のドニプロ川南岸(左岸)に位置する都市で、2022年以降にロシア軍の占領下に入った。国連人権監視団やオレシュキ市軍事行政府によれば、5月26日以降、市には食料支援が届いていないとされる。ウクライナ軍は3月からオレシュキに対し、ドニプロ川を越えてドローンで食料を届ける作戦を継続しているが、ロシア軍がドローンを撃墜し、住民が支援物資を受け取ろうとする際に拘束や暴行を加えていると報じられている。欧州評議会人権弁務官マイケル・オフラハティは即時停戦と妨害なき人道アクセス、市民の安全な退避を求めており、国際機関が問題に取り上げる形となっている。