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ウクライナ高等反汚職裁判所、パシンスキー元大統領府長官と司法取引を承認

ウクライナの高等反汚職裁判所(ВАКС)は、2014年にセペック社を通じて押収されたクルチェンコ氏の石油製品を巡り、元大統領府長官代行セルヒー・パシンスキー氏との司法取引(罪状認諾協定)を承認した。パシンスキー氏は汚職と犯罪組織への関与の罪を全面的に認め、虚偽証言と引き換えに総額11億フリヴニャの支払いに同意した。制裁の一環として、400百万フリヴニャは「戻れ、生きて」基金へ、100百万フリヴニャは「ステルネンコ・コミュニティ」基金へ、600百万フリヴニャは国家予算へ支払われる。

要点

  • ВАКСは2014年3月から6月にかけての事件に関する元大統領府長官代行セルヒー・パシンスキー氏との司法取引を承認した
  • パシンスキー氏はウクライナ刑法第255条1項(犯罪組織への参加)および第364条2項(職権濫用)で全面的に罪を認め、他の共犯者に対する証言提供に同意した
  • 取引条件の総額は11億フリヴニャで、その内訳は国家予算へ6億フリヴニャ(2年半以内)、「戻れ、生きて(Повернись живим)」基金へ4億フリヴニャ(6か月以内)、「ステルネンコ・コミュニティ」基金へ1億フリヴニャ(30日以内)となっている
  • 主たる刑罰は85万フリヴニャの罰金、追加で1万7千フリヴニャの罰金および1年間の公職就任禁止
  • 資産没収は適用されず、これは2020年6月に導入された関連の追加刑罰が犯罪行為後の制定だったためである
  • 条 件不履行の場合、検察は判決取り消しと通常手続きによる再審を請求する
  • 2014年に押収された約9万7千トンの石油製品は、ヤヌコーヴィチ前大統領の側近で国外逃亡中の実業家セルヒー・クルチェンコ氏関連のセペック社が輸入したものとされる
  • 調査によれば、事件による国家の損失は8億1700万フリヴニャ超、スキーム全体(2014〜2018年)では9億6700万フリヴニャと算定されている
  • 2025年9月5日、同事件の別の被告との司法取引も既に承認されている

なぜ重要か

この判決は、ウクライナにおける汚職対策の象徴的な事例である。パシンスキー氏はツルチノフ代行大統領の下で大統領府長官代行を務めた高官であり、彼の有罪認定はウクライナの反汚職機関による高位腐败摘発の進展を示す。さらに、彼が虚偽証言と引き換えに虚偽を認めたことで、他の共犯者の訴追につながる可能性がある。取引で Defense Forces と二大慈善団体に配分される11億フリヴニャは、戦時下での国防支援としての意義も持つ。

何が起きたか

9月24日、ウクライナ専門反汚職検察庁(SAP)は、パシンスキー氏との罪状認諾協定がВАКСによって承認されたと発表した。事件は2014年3月から6月にかけてのもので、当時パシンスキー氏が代行大統領府長官だった時期に、ヤヌコーヴィチ前大統領の側近で国外逃亡中の実業家セルヒー・クルチェンコ氏関連企業から押収された約9万7千トンの石油製品の不正取得に関するものだ。

パシンスキー氏は刑法第255条1項(犯罪組織への参加)および第364条2項(職権濫用)で全面的に罪を認め、他の関係者に対する虚偽証言と引き換えに寛大な処分を得た。取引条件として、総額11億フリヴニャの支払いが課された:6億フリヴニャを2年半以内に国家予算へ、4億フリヴニャを6か月以内に「戻れ、生きて(Повернись живим)」基金へ武器購入のため、1億フリヴニャを30日以内に「ステルネンコ・コミュニティ(Спільнота Стерненка)」基金へ国防力向け武器購入のために支払う。

主たる刑罰は85万フリヴニャの罰金で、これに1万7千フリヴニャの追加罰金と1年間の公職就任禁止が伴う。資産没収は適用されなかったが、これは関連する刑罰規定が2020年6月に導入され、犯罪行為後の制定だったためである。

ウクライナメディアの見方

提供された10の報道機関はすべてウクライナ国内メディアであるため、ウクライナ側からの報道のみが利用可能である。報道は一貫して11億フリヴニャという多額の和解金の規模と、Defense Forcesおよび二大戦争慈善団体への直接配分を強調し、この結果を「処罰」と「戦時支援」の両側面を持つものとして提示している。

複数の見出しはパシンスキー氏に対する批判的な論調(「服役しない」「罪を認めた」)を採用しており、刑罰が罰金と1年間の公職禁止であり、資産没収が事件後の法改正により適用されなかったことを強調している。ウクライナの報道は国内反汚職機関(НАБУ、САП、ВАКС)を中心に、スキームのメカニズム―クルチェンコ氏の押収燃料をパシンスキー氏のビジネス・パートナーの管理下にあった国営企業に移管し、割引価格で転売した経緯―を詳述している。

報道の食い違い

報道機関の間で主に二つの点で食い違いが見られる。

第一に、国家の損失額の評価が異なる:САПによるパシンスキー氏の不正行為(2014年3〜6月)に起因する被害額の評価は8億1700万フリヴニャ超だが、НАБУ/СБУによる2014〜2018年を通じた犯罪組織全体による被害総額は9億6700万フリヴニャと算定されている。一部情報筋はこれらが同一スキームの異なる範囲を指していると説明するが、両数値は同一ではない。

第二に、2025年9月に承認された同一事件の別の被告の取引条件について:ほとんどの報道は8年の禁固刑(3年執行猶予)、既に国防力に支払われた4千万フリヴニャ、3年以内に国家予算へ支払う1億1千万フリヴニャと述べるが、一つの初期報道ではその被告が1億5千万フリヴニャを支払い、執行猶予付きの判決を受けたと記載している。

背景

2014年、ウクライナの裁判所は、ヤヌコーヴィチ前大統領の側近で国外逃亡中のセルヒー・クルチェンコ氏関連のセペック社が輸入した約9万7千トンの石油製品に押収を決定した。

調査によれば、この押収燃料は当時パシンキー氏のビジネス・パートナーであるセルヒー・ティシチェンコ氏の管理下にあった国営企業「ウクルトランスナフトプロクト」に移管され、ティシチェンコ氏関連の企業グループに大幅に割引価格で販売されたとされる。国防省は「クルチェンコの燃料」のわずか1.6%しか受け取らなかったとされ、残りは同じ企業グループがロシアとベラルーシから調達した燃料だった。

2020年、裁判所は石油製品とその販売収益の特別没収を命じたが、調査によれば、その時点で全ての製品と収益は既にスキーム参加者によって横領された後だった。2024年2月、НАБУとСБУは事件の6名に対して疑惑を通知し、パシンキー氏は2億7252万フリヴニャの保釈金で逮捕・勾留されたが、2月27日に保釈金が納付され釈放された。

2025年9月5日、ВАКСは同一事件の別の被告との司法取引を承認している(8年禁固・3年執行猶予、4千万フリヴニャを国防力へ、1億1千万フリヴニャを3年以内に国家予算へ)。САПによるパシンキー氏との取引承認の発表は9月24日付である。