「ロシアのディーゼル燃料生産能力の約半分が停止」──2026年9月のウクライナ無人機攻撃で
2026年9月、ロシアのディーゼル燃料を生産する大手精油所の6施設のうち3施設が、ウクライナの無人機攻撃による被害を受け、大幅に生産を減らし、または完全に操業を停止した。Reutersが燃料市場参加者のデータに基づいて算出したもので、KINEFは操業を完全に停止し、ヴォルゴグラードとNORSIは定格能力の約4分の1で稼働している。
要点
- ロシアのディーゼル燃料生産量の約半分を占める6つの精油所のうち3つが、9月の無人機攻撃で被害を受け、大幅減産または操業停止に追い込まれた
- KINEFは操業を完全停止、ヴォルゴグラード精油所とNORSIは定格能力の約4分の1で稼働中
- 攻撃を受けたシズラン精油所では主蒸留装置CDU-6(能力1日1万7000トン、精製能力の約71%)が損傷、サラトフ精油所では9月11日に主装置ELZU-AVT-6と主要パイプラインの一部が被災
- シズラン精油所の修理は少なくとも1か月かかる可能性があり、ロシア国内市場の燃料不足が深刻化するとの見通し
- 国際エネルギー機関(IEA)によれば、2026年1〜8月にロシアの精油所が攻撃を受ける頻度は平均して3日に1回
- 攻撃の影響でロシアはガソリン・ディーゼル・航空燃料の輸出制限を余儀なくされている
なぜ重要か
ロシアのディーゼル生産能力の約半分に影響が及んでおり、ロシアの燃料生産における戦略的に大きな割合が損なわれている。生産減少を受け、モスクワはガソリン・ディーゼル・航空燃料の輸出制限を迫られており、国内供給と対外市場に影響が出ている。さらに、IEAによれば2026年1〜8月にロシアの精油所が攻撃される頻度は平均3日に1回で、持続的な攻撃キャンペーンが続いていることを示している。
何が起きたか
2026年9月、ロシアのディーゼル燃料を生産する大手精油所の半数近くが、ウクライナの無人機攻撃による被害を受け、大幅減産または操業停止に追い込まれた。Reutersが燃料市場参加者のデータを基に行った算出によれば、調査対象の6施設(Omsk、KINEF、Taneco、ヴォルゴグラード、NORSI、Perm)のうち3施設が被害を受けた。
KINEFは操業を完全に停止し、ヴォルゴグラード精油所とNORSIは定格能力の約4分の1で稼働している。サラトフ精油所は9月11日の攻撃で主蒸留装置ELZU-AVT-6と主要パイプラインの一部が被災し、石油精製を停止。シズラン精油所は主装置CDU-6(能力1日1万7000トン、工場精製能力の約71%を占める)が損傷し、もう1基のCDU-5は7月の攻撃後の修理中で、修理には少なくとも1か月かかる見通しだ。
これ以前にも9月6日のryazan精油所への攻撃で火災が発生し、操業が停止。9月13日夜にはタタルスタン共和国のニジネカムスク工業地帯、Taneco精油所も攻撃を受けた。スラブャンスク・ナ・クバニ(クラスノダール地方)ではウクライナ国防軍がSlavyansky精油所を攻撃した。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2026年1〜8月のロシア精油所への攻撃頻度は平均3日に1回。
背景
対象6施設(Omsk、KINEF、Taneco、ヴォルゴグラード、NORSI、Perm)は合わせてロシアのディーゼル燃料生産量の約半分を占める。このうちKINEFが操業を完全停止し、ヴォルゴグラードとNORSIは定格能力の約4分の1で稼働している。