英国、ウクライナ人受け入れ「ホームズ・フォー・ウクライナ」の給付金を70%削減
英国政府が、ウクライナ人避難民を受け入れている家庭への月額給付を350英から100英へとおよそ70%削減すると発表した。地方自治体への1人当たり配分も引き下げられ、2027年1月1日から適用される。受入家庭は大家として難民に家賃を求めることも可能となるが、高齢者や健康上の問題を抱えるウクライナ人の住居が失われる懸念が出ている。
要点
- 英国政府が「ホームズ・フォー・ウクライナ」 programmeへの資金拠出を70%削減
- 受入家庭への月額給付を350英から100英へ引き下げ
- 地方自治体への1人当たり配分も5,900英から3,300英へ減額
- 変更は2027年1月1日に発効
- 受入家庭は大家に移行し、避難民に家賃を請求することが可能
- 「ホームズ・フォー・ウクライナ」は英国内234,000人のウクライナ人避難民のうち181,000人を支援
- 英国政府は同制度に累計18億1,000万英超を拠出したと説明
なぜ重要か
「ホームズ・フォー・ウクライナ」は2022年2月のロシアによる全面侵攻後に始まり、英国内234,000人のウクライナ人避難民のうち181,000人を支援してきた英国最大級のウクライナ支援制度である。受入家庭が大家へ移行し家賃を徴収できるようになることで、避難民に新たな経済的負担が生じ、特に高齢者や健康上の問題を抱える人々は家賃を支払えず住居を失うリスクがある。今回の削減は、英国の対ウクライナ支援を緊急支援から長期的な持続可能体制へと軸足を移す方針転換の表れでもある。
何が起きたか
英国政府は、ウクライナ人避難民を受け入れている家庭への月額給付を350英から100英へとおよそ70%削減すると発表した。地方自治体への1人当たり配分も5,900英から3,300英へ減額される。変更は2027年1月1日に発効する。新制度の下では、受入家庭は大家としての地位に移行し、避難民に家賃を請求することが認められる。「ホームズ・フォー・ウクライナ」は2022年2月のロシアによる全面侵攻後に立ち上げられ、これまで英国内234,000人のウクライナ人避難民のうち181,000人を支援してきた。英国政府は同制度に累計18億1,000万英超を拠出したとしている。決定を受けて、ウクライナ人や受入家庭の間では、高齢者や健康上の問題を抱える人々が家賃を支払えず無償の住居を失う懸念が示されている。
ウクライナメディアの見方
ウクライナ語による報道は、まず今回の削減そのものを取り上げ、ウクライナ人避難民向け支援の縮小として伝えている。特に強調されているのは、70%という資金削減率と、月額給付が350英から100英へ下がる規模の大きさである。高齢者や健康上の問題を抱える人々など、社会的に弱い立場のウクライナ人が無償の住居を失う可能性について懸念が大きく報じられている。
海外メディアの見方
英国住宅・コミュニティ・地方自治省は今回の変更を、「ホームズ・フォー・ウクライナ」を緊急対応策から持続可能な体制へと移行させるための措置と位置づけ、制度自体は引き続き開設されていると説明している。海外メディアは、受入家庭が大家となり家賃を徴収しうる点を踏まえ、今回の見直しを単なる撤退ではなく制度構造の組み替えとして報じている。すでに18億1,000万英以上が投じられてきた点を背景に、英国は今回の削減は許容可能だと主張していると紹介されている。
背景
「ホームズ・フォー・ウクライナ」は2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻を受けて立ち上げられた制度である。これまでに英国内234,000人のウクライナ人避難民のうち181,000人を支援し、英国政府は同制度に対し18億1,000万英を超える資金を拠出してきた。