欧州の指導者ら、ロシアによるNATO域内への攻撃の可能性を公に警告
ポーランドのドナルド・トゥスク首相が、ウクライナ支援を続けるNATO諸国に対するロシアのドローンやミサイルによる攻撃が差し迫っている可能性があると警告した。フランスのエマニュエル・マクロン大統領はトゥスク氏の警告を「事実に基づく正当なものだ」と評価し、フィンランドのアレクサンダー・スタブ大統領も市民に「何が起きてもおかしくない」と精神的準備を呼びかけた。一方で、二人のNATO外交官によれば、加盟国は公式な新たな情報を受け取ってはおらず、脅威評価も変更していないという。
要点
- ポーランドのドナルド・トゥスク首相が、ウクライナ支援NATO諸国へのロシアによるドローンまたはミサイル攻撃の可能性を警告
- マクロン仏大統領は18日、ウクライナ・イラン・エネルギー危機に関する緊急会合を招集し、トゥスク氏の警告を「事実に基づく正当なもの」と評価
- フィンランドのスタブ大統領は17日、市民に「何が起きてもおかしくない」よう精神的準備を呼びかけ
- NATO軍機がリトアニア上空でロシア製ドローンを撃墜、ロシア艦がデンマーク軍ヘリコプターに向けて信号弾を発射
- ドイツとスウェーデンが戦略的要衝であるゴトランド島近郊で共同演習を実施
- ドイツはライプツィヒ空港へのドローン攻撃を企てたとしてロシア人のスパイ容疑者を告訴
- NATO外交官によれば、加盟国は新たな公式情報を受け取っておらず、脅威評価も変更していない
なぜ重要か
複数の欧州諸国の首脳が、NATO領域に対するロシアの軍事的またはハイブリッド攻撃はありうると公然と語っている点が重要である。病院の備えや避難計画の更新、重要インフラ防護計画、共同軍事演習といった具体的な予防措置が打ち出されている。背景には、米国情報機関が最近示した、NATO諸国への限定的なロシアによる攻撃の可能性に関する評価があるとされる。
何が起きたか
ポーランドのドナルド・トゥスク首相が、ウクライナ支援を続けるNATO諸国に対するロシアのドローンまたはミサイルによる攻撃が差し迫っている可能性があると警告した。マクロン仏大統領は18日、ウクライナ・イラン・エネルギー危機に関する緊急会合を政党指導者と2027年大統領選候補者に招集し、トゥスク氏の警告を「事実に基づく正当なもの」と評価した上で、重要インフラ防護の新計画を発表した。17日にはフィンランドのスタブ大統領が市民に「何が起きてもおかしくない」よう精神的準備を呼びかけ、オランダのロブ・イェッテン首相もトゥスク氏の警告を深刻に受け止めるべきだと述べた。軍事面では、NATO軍がバルト海地域で演習を行い、ドイツとスウェーデンが戦略的要衝ゴトランド島近郊で共同演習を実施した。NATO軍機はリトアニア上空でロシア製ドローンを撃墜し、ロシア艦はデンマーク軍ヘリコプターに向けて信号弾を発射した。ドイツはライプツィヒ空港へのドローン攻撃を企てたとしてロシア人のスパイ容疑者を告訴し、病院の備えを進めている。リトアニアは避難計画を更新した。
海外メディアの見方
西側メディアは、NATO域内へのロシアの軍事的・ハイブリッド攻撃の可能性を公に警告する欧州指導者たちの姿勢を大きく報じており、具体的な事件(リトアニア上空でのドローン撃墜、デンマーク軍機への信号弾)や共同演習の動きとあわせて警戒感の高まりを伝えている。背景には、8月末にモスクワを訪問したジョン・ラトクリフCIA長官によるエスカレーション抑制の警告や、ロシア議会選挙を控えたモスクワの過激な言辞があるとされる。
報道の食い違い
トゥスク氏の差し迫った攻撃の可能性に関する警告や、リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相が7月時点とされた「偽旗作戦」に関する情報を保有しているとの発言にもかかわらず、二人のNATO外交官によれば、加盟国は公式な新たな情報を受け取っておらず、脅威評価を変更したり追加的な多国間対応措置を取ったりしていない。
背景
背景には、米国情報機関によるNATO諸国への限定的なロシアによる攻撃の可能性に関する評価があるとされる。8月末にはジョン・ラトクリフCIA長官がモスクワを訪問し、ロシア当局者に対してエスカレーションを避けるよう警告したとされる。リトアニア近郊ではベラルーシ軍が大規模演習を行い、NATOはバルト海地域で演習を実施した。ロシアでは議会選挙が迫り、ウラジーミル・プーチン氏の政党の勝利が見込まれる中で、モスクワの過激な言辞が強まっている。